Journey Under the Midnight Sun

 今日は、何としても起きなくてはならない。いつも休日なんかは正午ぴったりのチャイムで目覚める僕だけれど、今日こそは何としても起きなくてはならない。楽しみにしていることがあるのだ。とびっきり楽しみにしているのだ。


 

 チャイムと、舎監さんの声で起きる。服を着て、カーテンを開けて少しずつ体内時計を戻す。一階の洗面所で顔を洗うようのタオルを持って食堂へ向かうのだ。部屋がある二階でするよりも、そちらのほうが効率がいいのだ。そして朝ごはんを食べ、部屋に戻り、布団を畳んで、制服を着て、歯磨きへ向かう。


 いつの間にかルーティーンとなっていたことも、もう非日常となってしまった。しっかりと書いていないと忘れそうで。書いていても、もう思い出せないことが増えていく。どこか、虚しい。


 一度合ったことは忘れないものさ。思い出せないだけで。


 たしかに、そういう考え方もあるのかもしれないけれど、少し寂しいな。

 今、僕が抱いている感情を言葉に出来ないのがもどかしい。



 長い長い夢を見ていたのだろう。

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