第63話 夜明け前

 ただ、起きている。そして、ただ書いている。


 もちろん、早く寝るに越したことはない。まだ、外は暗い。

 

 夜が明けるのがだんだん遅くなっているのを実感する。それは、ここ3日くらいは太陽を眺めてから寝ているからだ。こう書いていても思うが、よくないな。僕はただ、何もせず起きているだけなのだけれども、部屋が無音というわけではない。それはいささか寂しい気もする。この前見た映画にもほんの少しだけ出てきた、ショパンを聞いている。「夜想曲」だ。かたかなではノクターンという。これだと聞いたことある人のほうが多いのではないかな。なんだか、今の僕がしていることにぴったりな気もする。特に夜を想ったり、考えているわけではないけれど、人間には「なにもしない」というのはなかなかできないようなので、別に構わないと思う。



 今日は別に、ただの気まぐれで書いているとの言い訳をつけてそろそろ終わろう。

最後に曲の引用。 大江千里さんの『Rain』


 街角ではそう 誰もが急いでた

 きみじゃない悪いのは自分の

 激しさをかくせない僕のほうさ


 Lady 君は雨にけむる

 すいた駅を 少し走った

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