第55話 夏のまんなかで想うこと
暑いのに、窓を開けたままにしておく。虫が入ってきても知らない。
何もせず、ただ、得も言われぬ暑さの不快感を覚えながらぼーっとしている。体は間違いなくそこにあるのに、心はそこにはないような。暑さがすべてを溶かしてしまったのかもしれない。
今は間違いなく、夏のまんなかだ。今年はまんなかがちょっと長いのかもしれない。名付けるなら、「夏のまんなかで想うこと」だろう。昔の暦だと、もう秋になっていることになる。
今日から、今年では下半期という扱いを受けることになる。2022年も半分終わったことになる。早いっていうのはいつも抱く感想だから、特に感じる必要もない。まあ僕は高校生だから、どっちかといえば「年」よりも「年度」のほうが生活に密接に関係している。そう考えると、3か月が終わったことになる。残りは9か月。まだ、長いと慰めになるだろうか。僕が小学生のときの半年間、中学生のときの半年間、そして今の半年間。価値は一緒だろうか、どうだろうか。その間で僕はどんなに成長したかな。赤ちゃんとかってひと月で身長が倍くらいに伸びるんじゃなかったっけ。それがたぶん一番の成長期だということは置いておいて、中学生のころまでは僕も背は伸びていたと想う。もう、多分伸びることはないだろう。少し悲しいかなとは思うけれども、今までありがとうとも言いたい。
まあ、そりゃここでいう「成長」っていうのは身長に限った話ではないだろう。ていうかむしろ、精神的な面のほうが僕からすると中心にあったりもする。それについて考えてみても、どうだったかはいまいちピンとこない。だいたい、今僕が成長しているものだとしたらそれは今実感できるものではないだろう。まあ、半年っていうのは客観的に見たら、あとから振り返ったら長いように感じるかもしれないけれど、過ごしていると、とても短いものだろう。このままなんとなく過ごしていくことになるのかはわからないけれど、なるようになってくれるはず。
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