第6話 勘違いは癇癪のモト


結果から言うと、少年は癇癪を起こした。



我が家のすぐ隣に立つ立派な館の勝手口から執事を追ってきた50歳くらいの女性に追い払われそうになったわたしと、「お母様」を離すまいとして。



その女性は飛ばされた。



ーー飛ばされた?


そう文字通り、風が起こり、吹かれ、道の端に身体を吹っ飛ばされたのだ。



少年は何かをボソボソと発しながら、瞳の色を赤くした。




ーーこれ、鎮まらない!

瞬時にそう思った。



何の感情も見せず、少年は次々とその場にいる人を吹っ飛ばしていく。


「おねーちゃん?」

可愛い声がした。


ーールイ!!だめ、出てきちゃ!!


赤の少年はルイに目を向ける。

ルイはこちらに来ようとしている。


「だめっ!いい加減にやめなさい!このバカー!!」


バカは無いだろうと思いながらも、口から出た言葉はこれだった。





ーーーーーー。


ーー鎮まった。。。?



あいも変わらず動けないわたしだが、弟ルイが無事だったことに安堵する。



“癇癪”をおこしていた、少年は先程と変わらず立ち尽くしたまま。

澄んだルビーがこちらを真っ直ぐ見つめていた。







その後、起き上がった執事さんにわたしたち姉弟は連行された。。。

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