同居人

星ぶどう

第1話

 今から私の自慢の同居人を紹介するね。

 いつから私の家にいるかなあ。分からないや。でも彼が私の家に来てから私は落ち着いて生活ができるようになったんだ。彼が家にいるだけで安心するし、よく眠れるようになった。彼が来るまでは夜中によく目が覚めてしっかり眠れなかったんだ。彼は私を快眠に導いてくれたヒーローよ。本当に家に来てくれてありがとう。

 彼の良いところ?そうだなあ。顔はすごくかわいらしいの。目がクリクリしていて、彼と目が合うとキュンとしちゃう。それと彼はすごく恥ずかしがり屋なんだ。私が顔を覗き込むとすぐにどこかに隠れようとするの。私にかわいいって言われるのが嫌なのかな?でもね、私知っているの。本当はすごく喜んでいるって。だっていつも飛び跳ねながら逃げていくんだもの。よほど嬉しいんだわ。もう本当にすぐ感情が湧き出ちゃうんだから。でもそういうところも好き。

 彼は私を毎日陰ながら助けてくれている。私が出かけている時も、彼は私が家で快適に過ごせるために一生懸命働いてくれている。私が家にいる時も私のために働いているみたいだけど、実際に働いているところを見たことはないんだ。私が気づかないうちに彼は仕事を終わらせているの。まさに縁の下の力持ちね!

 ただ彼にもちょっと弱点があって私もそれに悩まされているの。彼はものすごく寒がりなんだ。夏とかは元気にしているんだけど、冬になるとだんだん閉じこもって私の前に姿すら現さなくなるの。きっと私のために働いてくれているとは思うんだけど、彼の姿が見られないのは残念だわ。私は1人で住んでいるから彼がいないと寂しい。

 えっ、彼が働く理由は私のためじゃないだって。うそ…だって彼が働くおかげで私は安心して生活できているのよ。えっ、つまり彼は自分のために働いていて、それがたまたま私の役に立っているってこと?そんな…てっきり私を守ってくれるヒーローだと思っていたのに。あっ、あと働くって表現もよくない…?捕食…あ、はい。わかった。以後はそういう風に言う。てか君詳しいね。もしかして私と同じ様に、ハエトリグモが好き?

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同居人 星ぶどう @Kazumina01

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