第11話
「ね~。早くお花見しよ~よ~。余計な横槍入ったせいでまだ楽しめてないんだけど~。」
「そうですね、余計な横槍が入ったせいで、まだ楽しめていません。」
「
「私は
「なんで俺の方を見んだよ。俺なんもしてねぇだろが。」
『そうだよ~。』
通じないと分かっているはずなのに、モモは俺の言葉に同調する。
「まぁ~しょうがないよね!一番狙われてんのは
「そうですね。ですが、私達も様々な場所に顔が割れていますから、人のことは言えないんですよね。」
確かにこいつらも何回か狙われてるし、俺と一緒にいたら確実に狙われるからな…。
ほんと、こいつらは何で俺と一緒にいるのか不思議でしょうがない。
「僕は承知の上で一緒にいるからね。君みたいな誠実な人が狙われてるなんて耐えられないから。」
言いながら、
ちゃんといいこと言ってたのにな…。
「まあ、別に文句を言いたいわけではない。私だって承知の上だ。
こいつらホント仲良いよな…。
『コウ、嫉妬してる?』
モモが上からひょっこりと顔を出してくる。
『するかよ。』
あいつらはああやって自分たちの平穏を少しでも保とうとしてんだから、嫉妬もなにもねぇだろうが。
『ふ~ん。私とあんな感じのことしたいな~とか思わないの?』
モモは後ろに引っ込んでから言う。
まあ、お前が今も生きてたらって、思うことはあるよ。
でも、それは弱さを見せるってことで。
それを俺が許さないから。
自分で自分が許せなくなるから。
弱さは、見せない。絶対に。
『昔はあったな。』
『昔は?』
『昔は。』
『昔は、ねぇ…。』
モモは考え込むように黙ってしまった。
そこに出来た隙間に入り込むように、
「も~!なんでそんなどんよりになっちゃうのさっ!早くお花見しよ?楽しんじゃえば、全部どーでもよくなるんだってさ!ね⁉」
そんな
「楽しめばいいと
「そうだよ~♪」
それに合わせるように、
「楽しいって良いよね~♪人生楽しんだもん勝ち、な~んて、よく言ったものだよ。まさにその通りでさ。」
そのまま流れるように
「楽しさはなかなか感じられるものではないからこそ、楽しいと感じるんだろうな。少なくとも、私はそう思っているが。」
「
「ありがとう。」
そこはまるでカラフルなパーティー会場。
ダンスをして、誰もが楽しさだけに
『コウも踊ればいいのに。』
後ろからモモの声が飛ぶ。
『踊る相手がいねぇだろ。』
『私じゃだめ?』
『実体ないからな。』
『じゃあ、あとで二人だけの時に踊ってよ。』
『なんで。』
『私がコウと踊りたいから☆』
モモはそう、無邪気な声と花のような笑顔でそう言った。
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