第7話

「ただいま~。黒月こげつ起こしてきたよ~。」

モモに悪戦苦闘していると、白月しげつ黒月こげつを半分引きずりながら戻ってきた。

「眠い…。もうちょっと寝させろ…。バカやろう…。まぬけやろう…。」

黒月こげつはめちゃめちゃ眠そうな顔でやってきた。というか半分寝てる。

「もう~。眠いからって暴言吐かないでよ~。軽く傷つくよ~?」

白月しげつは呆れながら、黒月こげつ木板きいたで出来たいつものテーブルに引きずって行く。

「お前らは相変わらずだよな、ほんとに…。」

こいつらは付き合っている。黒月こげつがこの家に来た時に、白月しげつ一目惚ひとめぼれしたらしい。

いっつもくっついてる上に、同じ部屋で過ごしてるし、情報調べるときもいつも一緒に行くんだよな。仲良すぎだろ。

「眠いんだよ…。寝させろよ…。」

黒月こげつ白月しげつに座らされてからも、ずっとそればかりを言っている。普段はもっとキリッとしてんだけどな…。

「まあまあ、文句ばっかり言ってないで。定例会議終わったら寝させてあげるからさ。定例会議ぐらいはちゃんと出ようよ。紅月こうげつのためにもさ。」

白月しげつは文句を言っている黒月こげつなだめている。

……俺のためにも、って言ってくれんのが、ちょっと嬉しかったりすんだよな。

「たーだーいーまー!!!」

ちょっと嬉しくなってたら、一気にテンションが下がった。

「うるせぇ…。なんでもううるさくなってんだよ…。さっき青月せいげつに怒られたばっかだろうが…。ああ、うぜぇ…。」

全然懲りてない黄月おうげつに、軽く嫌悪感けんおかんが…。

「いや!!ひどくない!?さっきと変わってないよ!私への感想が!」

「うるさいです。お姉さま。」

叫ぶ黄月おうげつに、冷静にツッコむ青月せいげつ

「眠い…。寝させてくれ…。」

「はいはい。定例会議終わったらね。」

文句を言いまくる黒月こげつに、笑顔でなだめる白月しげつ

『お兄ちゃん、星奴知家せやちけの人たちって、今こんなしかいないの?』

『今はもう、使用人も誰もいないからな。聖白せいはくさんは四年前に亡くなった。だから、今は俺たちだけだ。』

ずっと俺の肩に乗って聞きたいことだけ聞くモモと、それに地道に答えていく俺。

全員が、自然と机に集まり、話し合いに向けて情報を整理していく。

いつも通りになってきたな。…まあ、モモがいんのはいつも通りじゃないけどな。

座る位置は、いつも決まっている。

俺が玄関側、俺の右隣みぎどなり黄月おうげつ左隣ひだりどなり白月しげつ、右斜めに青月せいげつ、左斜めに黒月こげつが座る。

「んじゃ、ちょっと遅いが、定例会議始めっか。」

「「「「『了解!』」」」」

『…何でお前まで返事してんだよ。』

いつもの開始の合図に、モモの声も混ざっていた。

『いーじゃん。楽しそうだし♪』

モモの楽しそうな笑顔を見て、

『まあいいや。』

邪魔にならないならいいか、と思った。

「じゃあ、まずはそれぞれ昨日集めた情報の開示。白月しげつから終わり黄月おうげつな。」

「じゃあ、僕から言ってくね。」

そうして、やっと定例会議が始まった。









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