第6話

「全く、あいつは騒がしい奴だな…。」

「そうだね~。落ち着きなさ過ぎて心配だよ。」

白月しげつは苦笑いをしている。

「そういや、定例会議してねぇじゃん。」

いつも朝7時に、星奴知家せやちけの人間は定例会議をする。

と言っても、今はもう星奴知家せやちけは俺ら五人しかいないけどな。

「そういえば、そうだね~。朝から色々あったから、みんな忘れちゃったみたいだね。」

「ああ~。まあ、忙しいってか、騒がしかったからな。悪いが、とりあえず黒月こげつ起こしてきてくれねぇか?まだ寝てんだろ?」

「うん。そうだね~。まだ寝てると思うよ。さっきも寝てたし…。基本12時にならないと起きないからね~。」

白月しげつは笑顔で言う。

「何でそんな時間じゃないと起きられないんだよ…。」

「さぁ?朝が苦手だって、言ってたけど…。」

「苦手でも、定例会議の時間ぐらいには起きてくれねぇかなぁ~。」

定例会議は昨日あったことの報告とか、新しい情報とか、色々共有しなきゃいけないから、なるべく出て欲しいんだが。

あとでいちいち聞くの面倒めんどくさいんだよな…。

「う~ん。なるべく頑張ってもらうように言っておこうかな。」

白月しげつはまた苦笑いをしている。

「そうしてくれ。」

「じゃあ、黒月こげつ呼ぶ…じゃなくて、起こしてくるね。」

「おう。」

白月しげつはそう言って、黒月こげつの部屋に向かった。

『コウ…。』

『ん?なんだ?』

『大変そうだね!!』

急に喋ったと思ったら、めちゃめちゃ笑顔で毒を吐いた。

「は?」

言い方と顔がムカついたから、めちゃめちゃドス効いた声で言ってしまったが。

『そんな怖い顔しないでよ…。冗談だって。』

モモは結構引きった顔で言った。

『冗談だったらあんな清々すがすがしいほどの笑顔出来ねぇだろ…。まあ、良いか。モモだし。』

『ん?私だからいい…?デレた?』

『あ?』

『ナンデモナイデス…。』

ちょっとにらんだらめっちゃカタコトで、なおかつ目をらして言った。

『いや、そんなに汗だらだらにしなくていいだろ…。こっちが申し訳なくなるわ。』

『あう。ゴメン。』

『いや。謝るとこでもないだろ。』

『ううううう…。』

どんどん、目どころか顔ごとらしていくモモ。

何でそんな困ってる感あんだ?

『もう…何言ったらいいのか分かんないんだけど…。』

モモは耳真っ赤で、顔を手でおおってしゃがみ込んでしまった。

『いや、別に悩むことないだろ…。』

『悩むんだよ~!嫌われたくないじゃ~ん!最悪じゃ~ん!』

モモはついに頭を抱え始めた。

マジか…。いや、嫌われたくないのは分かんだけど、そんな号泣するほどか?

いや、モモが俺をきらったことがないから分からねぇけど、そんな、号泣するほどじゃないだろ…。

『いや、うん。分かったから、一旦落ち着けって。そろそろあいつら戻って来ちまうから。表情に出せなくなるんだって。頼むよ。』

流石に朝が弱いって言っても、白月しげつなら確実に起こすだろうし、黄月おうげつ青月せいげつも、そろそろ仲直りして定例会議のこと青月せいげつなら思い出すだろうし…。

『うう…。分かったぁ…。黙ってる…。』

もんの凄い弱々しく言われた。

『いや、別に黙ってろとは言ってないだろ…。』

全く、俺の恋人はいつからこんなにあつか面倒めんどくさくなったんだ?

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