第6話

 さて、今週のチーム集会はバニー集会。

 一応、うさ耳さえつけていればセーフ、にしたのだけど。


 ほとんどみんなバニーガールやないかーい。


 SGスクラッチの景品は、マイショップで売買できないので、みんなスクラッチ回して手に入れた、ということだ。

 ただ、よく見ると、旧服の人もいる。


 旧服と言えど、ボンキュッボンな感じで、並んでダンスしていると、チームルームが、まあ映画で出てくるようないかがわしい雰囲気のお店になるのは仕方ない。


 ロレさん、りっぴ、サニーさん、ドリスさん。他にも他にも。

 こうしてずらりと並ぶと、なかなかに壮観だ。



 ゆみみさんとかこーりん(今日は別キャラでアリスだ)は、あえてバニーガールから外した感じのうさ耳。

 レアニスさんは、いつもの黒ラッピーにうさ耳つけただけ。

 まあ、ここらあたりは、ころねの良心というか……。

 いえ、ちょっと待って。

 メイドマニアとふんどし男が良心っていうのはダメですね。

 ついでに、レアニスさん、ころねの人じゃないし。


 チャンさんはマッチョな海兵隊っぽい男性に黒のタンクトップとレザーパンツっぽいのはかせて、そこにうさ耳。


 斜め45度で攻めるのがチャンさんだからなあ。


 とは言え、こう見えてちょこころねガチ勢の一角を占めるほど、戦闘力は高い。

 人は見た目によらないというか、いろいろ楽しむのがチャンさんのプレイスタイルだ。

 それはそれでいいなあ、とは思う。


 私?


 私はしっかりバニーガールですよ。当然!



 そして、メンバーをチーム分けして、スプリングトリガーへ。



 スプリングトリガーは、NGS初の季節緊急。

 シーズンイベント用の緊急なので、常設とはちょっと違う、微妙な緩さとお祭り感が特徴だ。

 次から次へとボスエネミーを倒しながら進んでいく。


 最後、もう一度チームルームで記念撮影して終了。


「ではお先です」

 チムチャに一言。


「おつー」

「おつかれー」

「おつかれさま」

「おやすみなさい」

「おつかれさまです」


 みんなの挨拶が続く。

 よし。

 ここで一言。


「おっぱいが好きだああああああああああああああああああああ」


「はいはいおっぱいおっぱい」

「コラー」


 みんなの笑いを取って、ログアウト。


 笑いを取るって大切なんですよ。


 ログアウトすると、そこにはwindowsの画面とポンタ。

 ポンタは、ほぼお眠なので、丸くなっている。


 画像フォルダを立ち上げると、そこにはたくさんのスクリーンショット。

 スクショは、ブログ用。

 毎週の集会の様子をブログに残すのも、マスターの大切な仕事だ。


 ゲーミングチェアの高い背もたれに身体を預け、一息つく。


 思い出すのは、佐々木さんの鞄についていたリリーパのマスコット。

 リリーパということは、旧PSO2時代からのプレイヤーのはずだ。

 それなりの古参プレイヤー。


 どこのサーバーで遊んでいるのだろうか。

 どんな風に遊んでいるのだろうか。



 結局、あの後、そばを食べ終わると、そのままそこで別れてしまった。

 気になるマスコットについても、聞くことはできず。


 どうなんだろう。

 どんなふうに遊んでいるんだろう。


 楽しい遊び方をしているといいなあ。



 ポンタがこっちを見ていた。

 そろそろ寝よう、という目線。

「そうだね。寝よっか。ね、ポンタ」



 私はPCの電源を落とした。

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