side.美織&六花
Side.美織
今日私は、幼馴染の六花と二人でショッピングモールに来ていた。
学校が春休みになったので、新作のドリンクを飲みつつ、春物の服を買いにきていたところ、なにやら人が集中しているエリアがあったため、六花と向かうことにした。
すると電気屋の中で男性がひとりでゲームを見ていたのだ。遠くからでもわかるほど整った顔に私は少し見惚れてしまった。
ただ、ある一定の距離を保っている女性たちの1グループから危ない気配を感じたため、六花に伝えてその男性に声をかけることにした。
男性は私たちが名乗るとそのままつられるように名乗ってくれた。
名前は御門悠さんといい、なんと素敵な名前なんだろうと心の中で何度も復唱してしまった。
そこからお姉さんが今急用で離れていることを知った私たちは、お姉さんが来るまでの間付き添わせていただけないかと提案してみた。
女性からこんな提案をされて了承することはないんだろうが、この男性はなんだか他の男性とは違う気がした。
やはりというべきか、御門さんはそのまましばらく私たちと買い物を続けお姉さんがくるまで一緒にいることを許してくれた。
更には、お姉さんが合流した際には怪しいやつだと疑われた私たちをフォローしてくれた。
なんと素敵な男性なのだろうか。
帰り際に、御門さんからREENを交換してほしいといわれたときは驚き過ぎて食い気味で返事をしてしまったのは反省しなければいけない。
こんな優しい男性は初めてだった。
別れてからも頭から彼の姿が離れなかった。きっとこれが初恋というものなのだろう。
Side.六花
今日うちは、幼馴染のみおちんと二人でショッピングモールに来ていた。
なんや騒がしいところがあるなと思い、そこをみてみると、うちがよくゲームを買う電気屋だった。よくみてみると男性がひとりでゲームを見ていたのだ。
男性がゲーム売り場にいることで、その時点では単にゲーム好きとして何を買うのかが気になっていた。
すると、みおちんが横から、危ない集団がいるということを相談してきたので、うちは一緒に声をかけることにした。
こういうときうちの見た目はだいぶ抑止力になると自分でもわかっている。
うちが近づいたことで周りの女たちは近づこうとした足を止め少し距離をとったのだ。
男の人はうちらが名乗るとそのまま自分の名前を教えてくれた。
なかなか珍しい不思議な人やなぁと思っていると、ここでようやく自分が話しかけた人の顔をハッキリと認識したうちは、自分のタイプである顔の濃いおじさんというものが、この御門悠という男性に上書きされてしまった。
ここでうちは御門くんに惚れてしまったのだ。
何ともちょろい女なのだろうか。
そこからはなんとかして御門くんを知ろうといろんな話をした。
御門くんはゲームが好きらしく、うちはいろんなゲームを勧めた。
オンラインゲームもいくつか教えたので、どうにかして一緒にゲームができることを狙ってのソフトの選択だった。
しばらくするとお姉さんがやってきたようで、お姉さんはうちら二人に対してものすごい圧で何もしていないだろうなと問い詰めてくる。
なんとか説明すると御門くんがフォローしてくれたことと、天川高校の生徒という切り札を出したことでなんとか信用してくれたようだ。
もう帰る時間だといわれたとき、本当はREENを交換したかったが、先程のお姉さんの圧がすごくてうちは言い出せなかった。
するとなんと御門くんの方からお礼がしたいからと、REENを交換するようお願いしてきたのだ!
うちは食い気味でそれに応じて、御門くんの連絡先を手に入れることができた。
うちはこの機会を絶対に逃さないと心に決めてこれからどんどん行動していくことを心の中で誓った。
そして叶うなら大好きな美織と一緒に彼と結婚できるように、と。
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