第14話 プチ修羅場?



「悠!よかった無事で…ほんとうにすまなかった!一人にして怖かったよな。

……それよりもそこの二人は一体誰なんだ。悠になにかしていたんじゃないだろうな。場合によっては腕の一本じゃ済まさないから何をしていたか正直に話せ。」



なんでそうなるんだよ姉さん!!!!いや、でも離れていた間に周りに女性がいたらそういう風に思うものなのか?なんにしてもこれはまずい。早く何とかしなければ。


「ちょ、ちょっと姉さん。この二人は恩人だよ!!電気屋に来たタイミングで通りかかったらしくて、俺が襲われるかもって心配して姉さんが来るまで付き添ってくれてたんだよ!!」


俺がそういうと二人はコクコクと頷いて立ち上がり経緯を説明してくれる。


「は、初めまして。天川高校1年の夕立といいます。買い物に来ていたところ、お一人でいる御門さんをみかけまして、勝手ではありますがお姉さんが戻られるまで付き添わせていただきました。」


「どうも~同じく安達いいます~。うちらがみかけたときには御門くんにえらいぎょーさんの人が近づこうとしてたんで、悪い女の餌食にならんよう声かけさせてもろたって感じです!」


二人が冷や汗をかきながら説明を終えると、姉さんは俺に本当か?と聞いてきたので安心させるように大丈夫だよと頷く。


ふぅ。と姉さんは表情を緩めて二人にお礼を伝えた。


「そう…だったのか。まぁそもそも、悠をひとりにしたのは私の責任だったな。二人とも疑ってしまって済まない。姉の御門夕寧という。この度は私の代わりに悠を守ってくれたこと感謝する。」


「こちらこそ、疑わしい行動をしてしまい申し訳ありません。ですが次からは護衛をつけることをお勧めします。」


「そやなぁ~お姉さんが片時も離れんようには難しいと思うんで、うちもそう思います。」


護衛とかそういうのいたら気が気じゃないんでやめてほしいんですけど…


「そうだな、それに関しては検討しておこう。だが、天川高校の生徒が助けてくれたのは安心したよ。」


「え?どういうこと姉さん。」


聞いた感じだと天川高校ってただの共学校なんじゃないのか?


「あぁ。天川高校に入学する女子生徒は事前に男性への耐性があるか審査され、面接のときには面接官の男性と在学中の男子生徒に対して襲い掛からないかどうかを試されるんだ。つまり天川高校に入学できたということは今回のような件では手を出さないだろうというわけだ。」


なるほどなぁ。だから二人は俺と普通に話せているということか。というかこの世界の女性節操なさすぎるだろ。でも、二人は襲われないようにっていってたけど、周りの女の人達の視線は性的にみているというか驚愕って感じだったんだけどなぁ。ただ珍しかっただけなんじゃないのかね。


「そうですね。天川高校というだけで普通は男性の警戒心も解けますからね。なので御門さんに話しかけた時に学校名を聞かれなかったので余計心配だったんですよね。」


「そやな~なんでひとりでおんのに、こんな危機感ないんやろって不思議やったわ~なはは~」


やばい。そうか。この世界の男はそういう風に考えるのが普通なのか。


「まぁ。悠は特に部屋から出ることが少なくてな。TVとかニュースも見てなかったから世情に疎いんだ。」


俺は言い訳を考えていると横から姉さんがフォローしてくれた。

いや~俺が引きこもっててよかった!




「改めて二人ともありがとうね。姉さんとも合流できたしそろそろ俺たちは帰ることにするよ。」


「そうですよね。残念ですが、私たちもそろそろ帰るとしますか。」


「そやね。はよ帰らな夕飯間に合わへんやろしな~」


二人は荷物をもって、じゃぁと帰ろうとしたので俺は慌てて二人を止める。

せっかく知り合えたのに、もう会えなくなるのはなんだかもったいなかった。


「ちょっと待って!あのさ、もし二人が嫌じゃなければ、REEN交換してくれないかな?今度改めて二人にお礼がしたくてさ。ダメかな?」


「逆にええの!?交換しよ交換しよ!」

「ほんとですか!?えっと、あのお願いします!!」


二人は快く交換してくれた。今日だけで女の子の連絡先3つも増えたぞ!!いや~この顔でよかった~と改めて思った。


姉さんはそんな二人とのやり取りをやれやれといった様子で眺めていた。


また今度REENで連絡すると約束して俺たちは別れ、姉さんの車で家に帰ることにした。



☆あとがき☆

本日20:00に「side.美織&六花」を投稿予定です。

そちらも読んでいただけると嬉しいです。


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