第13話 二人のこと
さっきはいきなり声をかけられてあまり見ていなかったが、二人ともかなりの美少女だ。
夕立さんは黒髪ロングのストレートで、服装はちょっとロリータっぽい恰好ではあるが、立ち振る舞いや言動が落ち着いていたのでいいところのお嬢様のようだなと思った。
六花さんはボブカットで赤のインナーカラーが入っており、だぼっとした薄手のブルゾンを着崩して中にはカッターシャツを着ており、下はショートパンツのサブカル系の服装をしていた。
見た目だけだと以外な組み合わせだが二人は幼馴染で、昔からずっと同じ学校に通い、同じクラスだそうだ。
「そういや、二人って高校生?だよね。」
「はい、次で高校2年生になりますね。今は春休みなのでここでショッピングにきてるんです。」
「そうそう、ぴちぴちのJKやで~ふふ~ん。ところでお兄さんはいくつなん?見た感じうちらと変わらん感じするけど。」
「俺は今16だから、同じかな。」
「おぉ~!おないなんや!なんか運命感じるなぁ~。ほなお兄さんやなくて名前で呼ばせてもらうでな~。一個気になってんけど、今までずっと学校っていってへんよな?」
「もちろん構わないよ。あぁ、そうなんだよね、俺今までずっと家にいたから学校に行ったことないんだ。」
この世界では自宅学習が推奨されているし、俺は2年も家族と会ってなかったんだし、行ったことがないという認識で問題ないだろう。
「まぁそやろな~うちらが受験するときに御門くんの情報なかったし。あと、御門くんみたいなイケメンおったらその高校の倍率もやばいやろし、TV取材やらで大変やろしな~」
男がいるだけでそんな倍率とか変わるもんなのか?てかTV取材とか聞こえたけど、気のせいだよな。
「それは、どうだろ。やっぱり男がいるってだけで高校自体も有名になっちゃうものなんだね。おっかないや。」
「ふふ、なんだかすごく他人事ですね。有名といえば、私たちの通っている
「そうそう!天上院先輩な~御門くんと並んでたらえらい眼福になりそやなぁ~へへへ」
その先輩には同じ男として同情するなぁ。ハーレム目指せるとは言え、TV取材で全国放映はきついし。というか二人は天川高校ってとこに通ってるのか、せっかくだし俺も高校行ってみたいから、また家に帰ったら母さんに聞いてみよう。
そのあとは買い物を続け、六花さんがいろんなゲームをお勧めしてきてくれたので、なかなか多種多様なゲームを買うことができた。
買い物を済ませてベンチで二人と駄弁っているとポケットに入れていたスマホが震えだした。姉さんから電話がかかってきていたようなので二人に断りを入れて電話に出る。
「はい、もしもし~」
『私だ、夕寧だ。時間がかかってしまってすまないな。何かあってからでは遅いと思って、男性保護局の方まできたのだが、その声色的に何もなかったようでホッとしたよ。ということは今はまだ電気屋にいるのか?』
「あぁ。さっき買い物終わったところで、今は電気屋の前のベンチにいるよ。」
『そうか。何もなかったんだな?本当に大丈夫か?』
「なにもないって。姉さんは心配性だなぁ。」
『私が離れたせいでなにかあったら嫌だろう。よしすぐ向かうから待っててくれ。』
「はいは~い。ゆっくりで大丈夫だよ~」
ピッ
「今から姉さんが来てくれるみたい。二人ともありがとうね。」
「いえいえ。私たちも御門さんとお話ができてすごく楽しかったので。」
「そうそう~めっちゃ貴重な体験させてもらって感謝よ~。ほな、お姉さんくるならうちらもお役御免やな。」
二人に改めてお礼を伝え、しばらくすると奥の通路から姉さんが走って俺の方まで向かってきていた。
俺たちのところまできた姉さんは俺の顔を見て安心したような顔をしたがすぐに、横にいた二人に対して、睨みながら問い詰める。
「悠!よかった無事で…ほんとうにすまなかった!一人にして怖かったよな。
……それよりもそこの二人は一体誰なんだ。悠になにかしていたんじゃないだろうな。場合によっては腕の一本じゃ済まさないから何をしていたか正直に話せ。」
えぇ…。
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