第8話 美容院に行きたいんですが
「そうねぇ…。今の長い髪の悠ちゃんもかわいらしくて好きなんだけど、短くしたらもっとかっこいいんだろうなぁ~えへへへ♡」
たしかに今の俺の容姿はかなり整ってるからそう思うのもわかるけども。
実の息子ですよ???
トリップしそうな母さんをなんとか正気に戻してから再度お願いする。
「さすがにこの長さは過ごしづらいなって。前髪もピンで止めなきゃいけないし、後ろなんて女の子みたいに長いからさ。」
「それも似合ってていいと思うんだが、悠がそういうなら私の行きつけの店の美容師に頼んでみようか?」
姉さんの提案に俺は頷く。
「ただ、美容院に行くとなると騒ぎになるだろうしなぁ。無理を言ってしまうが家に来てくれるように頼んでみるか。」
そういって姉さんは美容院へと電話してくれる。途中、スマホから変な声が聞こえてきたが気のせいだろう。
「すまない悠。今はちょうど忙しい時期らしくてな。家に来るのは難しいそうだ。ただ、優先的に予約はしてくれるみたいで、明日のお昼から時間はとれるか?」
俺は「大丈夫だよ。ありがとう姉さん。」とお礼を伝えた。
これで明日髪を切りに行くことができるぞ!
「ふぅ。明日の14時から予約をお願いしておいたよ。明日は私も午後からは予定がないから、帰ってきたら一緒に行こうか。」
「ありがとう姉さん。ようやくスッキリできるよ。」
「む〜私も明日お休みだったら悠ちゃんのかっこいい姿を見にいけたのになぁ。」
しょんぼりした様子で母さんがいじけだしたので、カットしたあとに写真を送るという約束をしてなんとか機嫌を取り戻してもらった。
「さぁ。遅くなっちゃったけどご飯にしましょうか〜今日はオムライスよ〜」
母さん特性オムライスはチーズが中に入っていた。初めて食べたが、母さんの料理はそれはおいしかった。つい「うまいうまい」とがっついてしまった。
その様子を2人に微笑ましそうに見られているのに気づいて顔が赤くなってしまったが、美味しかったから良しとしよう。
ご飯を食べ終え、お風呂を済ませたあとに、母さんからもう少し詳しくこの世界の男の常識についていろいろと説明してもらった。
この世界についての説明はこうだった。
・男の出生率が極端に低い。(日本では3000人に1人ほど)
・男は16になると精子提供を義務付けられている。
・男は最低3人と結婚しなければいけない。最大10人まで可能
・男が産まれた家庭には国から毎月援助として50万円が振り込まれる
・男に限り学校には行かなくてもいい(希望する場合は共学校への入学とする)
・男を襲った場合、即逮捕(程度により罰金と最低でも懲役20年以上)
軽く聞いただけでも男がとれほど大切に扱われているのかがわかった。
これ以上聞くと俺の中の常識との差で頭がパンクしそうだったので、部屋に戻ることにした。
「なんだこの男にとっては最高な世界は。さすがに襲われるのは怖いけど、複数人と付き合って結婚できるんだろ。ハーレムじゃないか…
よし!ハーレム王に俺はなる!!!」
どこかのキャラのセリフを借りて叫んだところで重要なことに気づく。
「出会いねぇじゃん!!!!!!」
???視点
「まさか常連の御門さんから、ご指名で男の子のカットをお願いされるなんて…。ほんとはお家にお邪魔してあわよくばそのままお部屋にもお邪魔させてもらいたかったのに…!でもこのチャンス絶対に逃さないんだから。ふふふふ。」
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