第7話 男って珍しい
「あのね悠ちゃんこの世界は極端に男の人が少ないっていったけど、たぶん悠ちゃんが思ってるよりも男の人はいないの。悠ちゃんが産まれた時なんか病院総出で祝福されたし、退院するのも大変なくらいだったんだから。」
「あの時は私も弟ができることが純粋にうれしかったなぁ。ただ、他の人には弟がいることは絶対に言わないように厳しく言われたからな。成長していくにつれ周りに男がいないことが当たり前になっていって、この世界での男は本当に少ないんだとその時になって改めて実感したよ。今だったら全世界で100人のうちに1人いるかいないかってところじゃないか。」
と二人が続けて言った。
なるほど。全世界で100人に1人くらいね。なるほど理解した。
ってできるか!!!!ありえねーだろ普通に!!!
ていうか、全世界でそれくらいだったら日本でいったら1000人に1人いるのか、それよりも少ないのかってなるじゃねーか!!はぁあああああ!???
「2020年ごろまでは男女比が変わらないほどいたそうなんだけど、、2145年の日本では3000人に1人いるかどうかもわからないくらい男の人は珍しい存在になっているのよ。」
悠が頭の中でなんとかこの事実を受け止めようとしたところで優花から追い打ちをかけるように淡々と告げられる。
「そんな男の人である悠ちゃんが外に出たらどうなるかわかるよね。」
母さんの表情はニコニコしてるのに目は全然笑っていなかった。
圧すご。
「絶対に無事では済まないな。ただでさえ悠はかわいくてかっこいいんだ。弟だからこそ私は邪な感情を抱くことはないが、正面で笑いかけられたら私も母さんと同じように鼻血が噴き出るだろうしな。そんな魅力的な悠を世の女どもが放っておくとは思えない。」
いや、姉さん。邪な感情しかないと思うんですが…
まぁでもこれを冗談で言っているとは思えないし、男である俺は本当に稀有な存在だと認識しておかないとな。
女の人に襲われる、つまりヤれるとなれば男なら誰しもが喜ぶところだろうが、さっきの3000人に1人程度を考えると数十人から襲われるってことだもんな。
そこまでいったら快楽だけで済むとは思えない。
外、ひとり。怖い。OK。
「母さん、姉さん。気軽に散歩に行くことはもうしないって約束する。でもどうしてもひとつお願いがあるんだけどいいかな。」
だが、どうしても早急に解決しなければいけない問題がある。
「うん。わかってくれてうれしいわ~。危ないことじゃなければなんでもいいよ~」
「あぁ。私たちにできることなら。」
「あの、髪切りたい。」
「「あぁ…」」
☆あとがき☆
作品のフォローと評価ありがとうございます!
皆様のおかげで書きたい欲がどんどんでてきて少しずつですが投稿できています!
次回からはようやく、家族以外の別の女の子が登場します。
果たしてヒロインなのか、一度きりなのか。
乞うご期待!
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