第5話 1から始めよう

突然抱きしめられたことに驚きつつも大きな胸の中に包まれるのに抵抗できなかった。


「そうだったのね。打ち明けてくれてありがとう。最初は何かに影響されたのかと思ったけど、真剣な顔で話してるから嘘じゃないんだなってわかったよ。今まで育ててきた、ううん母親としての役目は全く務められなかったけど、今までの悠ちゃんはもういないんだなって思うと複雑な気持ちだったけど、別の世界とはいえ悠ちゃんが死んでしまったと聞いて私は本当に悲しかった。そこで気づいたの中身が別の世界の悠ちゃんになったとしても悠ちゃんは悠ちゃんなんだって。私の愛する息子であることには変わりないんだって。」


優花さんがそこまでいうと今度は後ろからも柔らかい感触が伝わってきた。


「いきなりのことで戸惑ってはいるが、悠は間違いなく悠だ。今まで過ごしてきた悠とは中身が違っても私たちは何も変わらない。ひどいかもしれないが今までまともに悠と話したことがないから思い出という思い出もないんだ。だから話ができるきっかけを作ってくれた今の悠には感謝しているよ。さっきまで不安だっただろう。もう大丈夫だ。私たちは今の悠とも一緒に過ごしていきたいよ。」


あぁ、あったかいなぁ。幸せだな。

こんな急な話を信じてくれて今の俺も受け入れてくれた。

なら俺のやるべきこと、言うべきことは決まっている。


「ありがとう。。これからよろしくね。」

おれは二人に抱きしめられながら笑顔でそういった。


ブッーーーーー!!


俺の心からの笑顔を眼前でくらった母さんは鼻血を噴き出して倒れてしまった。



せっかく綺麗にしまったのになんでこうなるんだ。


俺は姉さんと一緒に母さんをソファで寝かせ、正面から吹きかけられた鼻血を落とすために少し早めのお風呂にするのであった。







あとがき

―――――――――――――――――――――――――――

タイトル回収はもう少し先になります!

貞操観念逆転ものが好きで、自分の思っている展開が少なかったので、それなら自分で書いてしまえ!ってな感じで書き始めました。

よくある設定もちらほらでてきますが、欲情した猿みたいな子はあまりでてこないはず。。です。

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