第1話 起きたら別の世界
「ん?あれ?なんだここ」
なんだ。おかしい。今俺轢かれたよな。
見覚えのある部屋で目を覚ました俺はあたりを見渡すと、そこは数年帰っていなかった実家の悠の部屋だった。
ただ違うところがあるとすれば、やたら高性能にみえるデスクトップPCが置いてあることくらいである。
「なんでこんなものが実家の俺の部屋にあるんだ?」
母さんはやけにいいものを買ったんだなぁと心の中で思いディスプレイの前にくるとそこには見たことのない顔が映っていた。
「は?え?」
顎まで伸び切った前髪に後ろはポニーテールにできるくらい長く伸びており、サイドには青のメッシュがはいっているようにみえる。
「俺は黒髪短髪でツーブロックだったはず…」
どこのロックバンドのメンバーだよと呆れつつも前髪から覗く自分の顔に再度驚くことになる。
「なんだこのイケメン!!!顔ちっちゃ!!二重に泣き黒子とかどこのアニメのキャラクターだよ!!髭とか全く生えてねぇぞ!!!?」
自分の顔に驚きつつもそんなことを口走ってしまう。それと同時にディスプレイに映っている人物も喋っていることからこのイケメンが自分なのだと認めざるを得なかった。
受け入れるのに時間がかかったのは当然だと思う。うん。
ふぅっとベッドに座り直したところで机に置いてあったヘアピンで前髪を分けつつ、
「ていうかここほんとに実家の部屋にそっくりだけど、絶対転生とかだよなぁ。」
などと呟く。
「ん~。どうなってんだろーなぁ。異世界?はPCがあるから違うし別世界の日本とかそんな感じかねぇ」
案外自分は肝が据わっているなぁと思い、そこから状況を整理しているとふとコンコンと部屋をたたく音が聞こえた。
「ほいほーい、今開けますよっと」
お。母さんいたのかと思いつつも返事をする。
ガタガタガタと何かが落ちる音がしたがドアを開けるとそこには見たこともない綺麗な女性が立っていた。
「えぇっ!ゆ、悠ちゃん!?なななななんで部屋からでてきて?やだ、久々に見たけどかわいすぎイケメンすぎ!てかピンで前髪留めてる~♡ほんとなに、私を萌え殺したいのかな、こんなの無理無理もっと好きになっちゃう」
突然目の前に現れ、早口で褒め続ける美女に驚きながらも、「我が息子」という部分は聞き逃さなかった。
「えっと、母さん?」
「う、うん!!母さんって呼ばれちゃった。えへへ~うれしいなぁ//」
どうやら本当に母さんだったようだ。
あれれ~おかしいぞぉ~お母さんって年齢でこの美貌ってどういうことなのぉ~?
頬を赤らめながらにへへと笑っているどうみても20代半ばのおねぇさんが母さだと?というかこんなかわいい人から生まれたとでもいうのか。
だが、まだ確定ではない。確かめなければいけないことがある。
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