僕が大人にならなかった理由
大きな声で店員さんを怒鳴りつけるお父さん。
いつもは優しいけれど、となりのお姉さんのうわさ話をするときは顔をくしゃくしゃにゆがめるお母さん。
勉強を教えてくれるかわりに僕の貯金箱からお小遣いをとりあげるお兄ちゃん。
僕が飼っている犬のケータを汚いというえいこ叔母さん。
僕が受けているいじめを見て見ぬふりをする先生。
通学中に出会う、よく野良猫に餌をやっているおじさん。
となりに一人で住んでいる、おなかが大きいお姉さん。
お酒を飲んだ後は、僕を殴ることを日課としているお父さん。
ケータの前足を踏んだあと、思い切り腹の横を蹴り上げたえいこ叔母さん。
ケータの餌に何か混ぜているのが見つかると、僕から逃げるように家を立ち去った叔母さん。
僕が必死で訴えても何もしてくれない先生。
文房具屋で万引きしていたのを僕が見つけたら、「親には黙っていろ」と殴るようになったお兄ちゃん。
ケータを「うるさい犬」といって水道のホースで叩いてくる隣のお姉さん。
餌代がばかにならないしもう可愛くないからケータを保健所にもっていこうと言うお母さん。
疥癬で目の周りが潰れた猫をたくさん増やすことが趣味のおじさん。
ケータが誰かに蹴られて弱っていてもずっと犬小屋に向けて水をかけてくる隣のお姉さん。
僕の態度が気に入らない、とクラスのみんながいる前で言い始めた先生。
ケータのお墓に、伸ばしたホースで水をかけてくる隣のお姉さん。
小さなことで別教室に呼び出しては僕の髪を掴んで怒るようになった先生。
ごめんなさい。
僕はもうケータのところに行きます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます