なんじゃこりゃ

「今日も一日お疲れさん!!!」


心の中で自分に強くそう語りかけた。

今、俺は電車の中だ。田舎ってのもあるせいか人が全然乗ってなかったから座席がガラガラだった。

電車の中で座っていると急に睡魔が襲ってくる。さっきまでは全然眠たくなかったのになぜいつも俺を苦しめるんだ。


「ここで寝たら終わる...」


本来、俺が降りるはずの駅を寝過ごしてしまったら次の駅までは10分もかかる。

しかも、俺は一度眠ってしまったら中々起きない。


「今日もしっかり降りれた...」


眠らなかった俺を褒めてくれる人は当然誰もいない。自分で褒めるだけ。悲しい奴だとか言うなよ。


「今日は早く帰って勉強ちゃっちゃと終わらせちまうか。早く寝たいし。」


片道約15分もかかる田舎道を自転車で走って自宅へ向かった。


「ただいま〜」


「おかえり大護。手洗いうがいちゃんとしなさいね!」


「分かってるよ。」


今日の蛇口はひねるのに少し力を使った気がする。そのおかげもあり中々の水圧だ。


今日の晩御飯はカレーライスだった。これぞまさにお袋の味だな。なんて言うにはまだ少し早すぎるか。久しぶりにカレーライスを食べた気がする。最近は友達との外食が多く、帰りが8時近くなることも多々あった。

時間も少なくなれば俺の手元にある野口さんが日に日に少なくなっていっている。


さぁ、風呂の時間だ。俺はこの時間が大好きだ。誰にも邪魔されず時間も気にせず、ずっと温かい湯船につかれる至福の時間だ。俺は湯船に浸かりながら1日の振り返りをした。


「今日も特にいいこともなく、かといって悪いこともなく…

普通が一番だな。」


おっと、湯船に使ってもう1時間経過してるじゃないか。早く出て寝ないと寝坊してしまう!


隣の市にある高校に通う俺は起きるのが毎朝5時。そのため11時には寝るようにしている。


「よし。これっでオッケーっと」


目覚ましを5時にセットし、俺は静かに夢の中へと沈んでいった。






ピピピピピピピピピピピピ


いつもと違う目覚ましの音で俺は夢の中から覚めた。と言うか、夢であって欲しかった。


目を開けるとそこに広がっていたのは見知らぬ真っ白な天井だった。


「ん?どこだ…?ここは?」


寝ぼけてるだけか。そう思い込んで俺はいつも通り重い体を無理やり動かして洗面所へ向かった。


「あれ?洗面所ってどこだ?てか、マジでここどこ???」


ようやく気付いた。夢ではなく現実だと言うことに。

近くにあった手鏡で自分の浮腫んだ顔を覗き込んでみる。するとそこに写っていたのは紛れもなく老けた顔の俺!!


そう、俺は15年後に飛ばされていた。





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若いうちにやっておけ どろんこ @sifons

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