若いうちにやっておけ
どろんこ
プロローグ
「今日も学校めんどくせーなぁ」
この一言から俺の朝は始まった。憂鬱な朝が。
俺の住む市の人口は約8万人。最近は若者が増えてきたらしいし、昔よりもだいぶ‘‘駅前は’’発展してきている。
だが、俺の住んでいるところは市の端の方。発展もしていなければそこまで人口も多くない。周りにあるのは住宅と木と山。
たまーにイノシシとかキツネが出てくる。
そんな見ていても楽しくないような風景を見ながら自転車を漕いでいる。
俺の通う高校は隣の市にある。隣の市の方が俺の住んでいる市よりもだいぶ発展している。
ちなみに俺の家から駅までは約15分。そこから電車に揺られながら学校の近くにある最寄り駅で降りる。大体20分くらいだろうか。
駅を出たら5分ほど歩けば到着する。
「だりぃ~」
学校に入る前にこぼれた独り言。
俺の教室は3階にある。校舎自体は5階建てだ。
重く気が進まない足を一生懸命上げながら階段を上る。
「はぁ」
「朝からため息しかついてねぇな。大護。」
「朝だからかな。何もかもが憂鬱だよ。」
教室に入り席に着いた瞬間真っ先に話しかけてきたのは前の席の友達だった。
名前は木下悠木。
あぁ、俺の紹介をしてなかったな。俺の名前は西岡大護。
高校1年生だ。身長は168センチ、体重は、、、
って、ここまで個人情報を喋る必要もないか。
名前の由来は‘‘たくさんの人を護る大きな存在になってほしい’’という両親の思いが込められているらしい。
自分では「誰も護ることができないだろうな」そう思い込んでいる。
「おっはよー大護、悠木!」
「おはよ!」
「おはよ~」
今、元気いっぱいの挨拶を俺たちに飛ばしてきたのは同じクラスの俺が唯一自然な口調で喋れる女子。
彼女の名は仙田來海。
俺はこの子に恋をしている。でも、なぜか自然に話せる。
なんでだろうな。
俺と來海が付き合う~なんて妄想をしているときに教室の扉が開いた。
「よーし。朝のホームルーム始めるぞ~」
「起立」
俺の一日が始まった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます