第3話「ご紹介!! 未来の右腕」

 シルヴァは、意識を失ってる黒崎と対面した。

そして屈んで、緑の錠剤を黒崎の口の中に入れた。


「!?」


「そんなに怯えることはありませんよ。私はあなたの味方です」


 黒崎は視線を下に向けた。


「なら、誰だ?」


「シルヴァ・ブラウスです長年、傭兵をやっておりました」


「そうか……」


 黒崎はゆっくりと目を閉じた。


「あなたの仲間たちはまだ生きてますよ」


 黒崎の目は閉じたままだった。


「言い残すことはない……さぁ、早く殺れ……」


「……何か勘違いしてるようですね」


「どういうことだ? 」


 恐怖と罪悪感が、入り混じったような感情だった。


「私はあなたの味方だと言いました。つまり、あなたに仕えたいと言うことです」


 黒崎は仲間の倒伏した姿が、何度もフラッシュバックで思い出された。


 仕えたい……? そんなばかな……俺は仲間を置いて逃げたんだぞ? しかし、なんであんなことを……


 目の前は真っ黒に染まった。


 シルヴァはかがんで黒崎の肩に手を置いた。


「どうして自分を責めるんですか? 他者がちゃんと必要な時に責めてくれるからいいんじゃないですか」


 黒崎は人間時代のことを少し思い出した。



「ア、アインシュタイン……」


 名前は出たが顔や性格、何をした人かは思い出せない。



 シルヴァは頬を緩め「今、自分を責めてもいいことなんて一つもありませんよ。必要な時は仲間が責めてくれる。次にまた同じ失敗を繰り返さないようにすればいい。あなたはこの世に存在してる限り変われる……」と言い喜色満面の笑みを浮かべた。


 黒崎は笑みを殺すように強く唇を噛んだ。



「だから……まずは謝罪して仲間にたくさん責めてもらいましょう。後先のことを考えるのはそれからでいい」




 その後黒崎は仲間に謝罪した。

思ったよりも気にしてなかった。

というか、むしろ安心していた様子だった。


「いや〜まさかお前がのように逃げ回ったとはね……思いもしなかったよ!!だってさ〜お前、いつも後先のこと考えずに突っ走ってたじゃん?」


 ソルドが破顔大笑すると仲間たちにも笑いが伝染していき爆笑タイムが訪れた。


 まるで生◯の家の集まりのように爆笑と沈黙を繰り返していた。




 三度目の沈黙の時、誰かが思い出したようにふと言った。


「他の兵士ら追ってくるから逃げないと!!」


「いや、心配ありませんよ私が周囲に駐屯していた兵士はみーんな殺しましたから」


 お多福面のように笑っていた。


 最下級兵士らは互いの目を見つめ合い何かを共有していた。



 一体の兵士が苦しげな表情をして言った。














「あんた…………誰?」

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