信じていたはずのものを「間違い」だったと再定義する新しい”洗脳”社会

かつてアニメやマンガは「子供が夢中になるもの」であって、いい年した大人は「卒業」することが当たり前とされていた。誰が決めたかは知らないが、ほんの20〜30年くらい前まではこの国の大人たちは例外なくそう信じていた。
だから、いい年した大人はこっそりアニメを楽しんだ。間違っても会社で同僚に「エヴァの劇場版もう見に行った?」なんて会話は出来なかった。

だが、それは一種の洗脳だった。アニメは子供のもの……なんてことはない。むろん主要な視聴ターゲットを小学生に絞った「ドラえもん」や「アンパンマン」はある。
でも「鬼滅の刃」をいい年した大人が劇場へ見に行き、パンフレット片手に会社の昼休みに同僚と「禰豆子ちゃんきゃわわ」とはしゃいでもキモくはない……は、はずだ。うん、キモくないぞ!

さて本作品は子供の頃「ヒーロー」だった国の指導者の話しである。

「神」と讃えられていたのは、果たして国民が洗脳されていたからなのか?
その「神」が実は「堕天使=悪魔」だったと伝えられたとき、それを信じられるのは何故なのか。曰く、すべては洗脳である。

洗脳とは何か?
深く考えさせられる一作です。