私だけのヒーロー……なんて恥ずかしーじゃん(笑)番外編巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中

神無月ナナメ

加速装置は伊達じゃない?

 ……きっとケーちゃん。記憶の欠片もないんだろう。昔の話。


 まんが日本昔話じゃないからね? アッハッハッハ。それでも子守歌。口ずさむ相手は大好きなヒトだ。あの頃は寂しかった。


 あーしの両親。弁護士さんだ。ちっちゃい頃わかんなかった。いまでも仕事内容しんないよー。っつーのかな興味ないからね。


 悪い人間じゃないんだ。世間では正義のミカタなんだってさ。なんだろう。あーし普通じゃないから……おバカなんだよねー。


 もちろん頭の病気じゃないよ。だからおバカも一生治らない。



 文字は書けるんだよ? 意味なんかも大体なんとなくわかる。徹底してわかんない数学ってのかなぁ。理解できない計算とか?


 じーちゃんは最初から優しいよ。顔こえーし声でけぇけどさ。パパとママが同時。いなくなった時じーちゃん連れてきたんだ。ケーちゃんだよ。イケメンのオニーチャン。親戚なんだよねー。


 小学校あがる前……日曜朝のテレビ。ヒーローみたいな登場? 口うるさいママ。おとーとなんだって。にてないから優しいよ。


 千葉の日本一でっけー遊園地。黒ネズミさん。踊りに釣られて迷子になった。そして誰もいなくなった……おバカさんだから?


 気がつけば大声で泣いてた。デュフフ笑いのきしょいおデブ。助けてくれようとか考えた。近寄っただけかもしんないよなぁ。


 しらない場所。しりあい誰もいない。こわかったんだよね……「なにしてるっ!」いきなり視界の端から出現したヒーローだ。


 正義感に満ちあふれた痩身。外見イケメン。加速装置の発揮!?


 あーしに駆けよる。同時にかかえられた。私だけのヒーロー。ブツブツいいながら消えたおデブさん。なにも問題はないよね。


 あの姿……永遠に見られなくて寂しい。だけど希望はあるよ?

 ココちゃんとも話したんだ。ウサギだったのに気づけば人間。


 もしかしたら……ケーちゃん。右脚が復活するかもしんない。そんな夢みたいな未来予想図。願うだけなら誰でも自由だね……夢想しながら目前のケーちゃん。背後から首筋にしがみついた。

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