罪の証


 鏡に映る自分の姿を見つめる。

 藤色の瞳はすぐに視線を逸らし、銀鼠色の髪を頭のてっぺんから毛先まで辿った。以前切った時の事を考えると、随分伸びたように思う。肩の上で跳ねる毛先を欝陶しく感じる。近いうちにまた切ろうか。

 右肩に残る傷痕が目について、そっと指で触れてみた。ざらりと引き攣った皮膚の感触がする。ざらりと記憶に波が立つ。

 相手の顔も、どんな状況だったかさえはっきりとは覚えていない。ただ生き延びることに必死で――。


「……っ」


 もう何年も前の傷なのに、傷痕は今でも消えない。……どうして、消えない?

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