罪の証
鏡に映る自分の姿を見つめる。
藤色の瞳はすぐに視線を逸らし、銀鼠色の髪を頭のてっぺんから毛先まで辿った。以前切った時の事を考えると、随分伸びたように思う。肩の上で跳ねる毛先を欝陶しく感じる。近いうちにまた切ろうか。
右肩に残る傷痕が目について、そっと指で触れてみた。ざらりと引き攣った皮膚の感触がする。ざらりと記憶に波が立つ。
相手の顔も、どんな状況だったかさえはっきりとは覚えていない。ただ生き延びることに必死で――。
「……っ」
もう何年も前の傷なのに、傷痕は今でも消えない。……どうして、消えない?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます