祭りに浮かれて2


 広場はいつもに増して賑やかだつた。

「はい」

 目の前に出されたパンを、アルは黙って受け取った。

 広場では着飾った人々が踊っている。

 パンをかじりつつボンヤリ見ていると、目の前にすっと手が伸びて来た。視線でたどった先にはエトランゼ。

「一緒に踊ろうよ」

「やだね」

 にべもなく断られ、落ち込むエトランゼ。

 アルはパンを口に放り込んで「少し言い方がきつかっただろうか」と反省した。

 別に彼が嫌いな訳では無いが、まだ信用しきれていないし、何より――踊ったことなど一度も無いのだ。

「上手い下手なんて誰も言わないさ。楽しそうに手を繋いで、くるくる回っていればね!」

 アルが食べ終わったのを確認すると、手を引いて踊りの輪の中へ入っていく。

「ちょっ…」

「せっかくの祭なんだからさ、楽しもうよ!」



※※※※※※※※※※


:思い付いた。祭でエトランゼとアルが一緒に踊るシーン。もちろんエトから誘う! 断られる! 引きずってでも踊ってもらう!(コラ

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