静かな怒り
店内の整理中、店長が帰って来た。
「ただいま」
「おかえ…り」
本を並べていたシュクの手が止まった。
「……それ…」
「ん? 入荷しました~。という訳で、この箱の中身も分類頼めるかな」
その言葉を聞いて、シュクはちょうど持っていた本を構えた。
静かに近付き、標的を射程距離内に収める。
「売れてもないのに仕入れるんだ?」
「新しく入った物の方が売れるかも知れませんよ」
「分類って言うけど、この店に溜まってる未分類の本、何年分か把握できてる?」
「溢れ出したのは――」
宙を仰いで指折り数える。
「――店を構えて半年位かな」
バシッ
柔らかな笑顔に硬い表紙が直撃した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます