歌を歌おう


 人通りのない路地で、二人は今日も遊んでた。


「♪♪~」

「 ♪~」


 誰かが歌っていた歌を聞いて覚えたらしい。少女が歌うと、追うように少年も歌い始めた。


 重なる声の星の歌

響き合う音は瞬いて

 共鳴する光たち



 二人の歌を聞いて、やって来たのはりんご泥棒。

 初めは黙って聞いていた。


「一緒に歌お?」

「歌おー!」


 気乗りはしないが断る理由もない。りんご泥棒は言われるままに、歌の輪に入った。


「♪♪~」「♪♪~」

「 ♪~」



 歌うのは別に嫌いではない。が、やはり歌を聞かれた時の気分はあまり良いものではない。


「アルって……」



******



 実は音痴です。

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