『美少女死屍の屍旅』②
……………… 次の日の朝。
彼らは城の近くにある大きな屋敷の前にいた。
なんでもここは貴族専用の別荘地らしく、普段は使われていない建物らしいのだ。
「よしっ! それじゃ行きましょう!」
女は気合いを入れるように声を上げると、意気揚々と歩き出した。
「待ってくれよ。まだ準備ができてないじゃないか」
男は慌てて女の背中を追いかけた。
「もう、しっかりしてちょうだい」
と女は男を睨みつける。彼は肩を落としてため息をつくと、小声で呟く。
「やれやれ……。どうして僕たちはこんなことをしているのだろうか……」
「今更何を言っているのかしら? あなたが言い出しっぺじゃない」
「いやまぁ、確かにそうなんだけど……」
「だったら文句を言わずに付いて来なさい」
「はい……」
男はしぶしぶと女の後を追った。
「ところで、これからどこに行くつもりなんだい?」
「『神域』よ」
「『神域』? ここからだと結構距離があると思うけど、大丈夫かい?」
「えぇ、問題ないわ。私にはこの魔法道具があるから」
女は手に持っていた黒い球体を掲げて見せた。
「それは?」
「これは『転移球』と言ってね。一度行ったことのある場所になら一瞬で移動できる優れものなの」
「へぇ~。そんな便利なものがあるんだね」
「えぇ。でもこれを使うのは今回が初めてだわ。上手くいくといいのだけれど」
女は不安げにそう言うと、『転移球』に魔力を込めた。
すると『転移球』は淡い光を放ち始めた。
「さぁ、行くわよ」
女は男の手を取ると、そのまま『転移球』の中へと飛び込んだ。
――ヒュンッ! 2人が『神域』に到着するのは、それからすぐのことだった。
「おぉっ!? なんだこりゃあぁ!!」
――ドサッ!! 男は何が起きたかも分からないままに、地面に転ばされていた。
「いったぁ……。一体何が起こったっていうんだよ」
「うぅ……、ごめんなさい。まさか着地に失敗しちゃったみたい」
「着地に失敗したって……。もしかして、ここが『神域』なのかい?」
「そのはずなのだけれど……。でも、明らかに違う場所よね」
彼らは辺りを見渡した。するとそこは、森の中にある開けた空間のようであった。彼らの目の前に広がる光景は、とても幻想的なものだった。
木々に囲まれたその場所には色とりどりの花々が咲き乱れており、地面は一面花畑となっている。そして周囲にはいくつもの泉が存在していた。
「綺麗……。まるで天国みたいね」
と女は思わず感嘆の声を上げた。
「あぁ……、本当に凄いな……」
男はしばらくの間言葉を失っていた。…… 彼らはしばらくその場で景色を眺めていたのだが、いつまでもこうしている訳にもいかないと思い直し、行動を開始することにした。
「とりあえず、この場所について調べてみるか」
「えぇ、そうね」
彼らはまず手始めに近くにあった泉に近づくと、水の中に手を突っ込んでみた。……特に変わった様子はないようだ。続いて他の泉の中にも同じように触れてみてたが、どれも普通の水のようである。次に2人は近くの草むらを調べることにし、茂みに手を入れてかき分けていった。するとそこにあったものは――
――ガサガサ……、ピョコッ!
「ひゃあっ!?」
「おっと危ない!」
――バシャッ! 男は咄嵯の判断で、手にしていた瓶の中身を泉の水にぶちまけた。すると次の瞬間、突然の出来事に驚いたのか、中から小さなカエルのような生き物が現れた。
――ゲコォッ!
「あら可愛い」
女はカエルに向かってそっと手を差し出すと、優しく抱きかかえた。
「なぁ、君。あんまり驚かせないでくれよ」
「別に驚かせたつもりはなかったのだけれど。それにしてもこの子、なんていう名前の子かしら?」
「さぁ? 見たことあるような気はするんだけどな」
「それじゃあ新種かしら?」
「かもしれないな」
彼らはしばらくカエルを観察したあと、再び周囲の調査を開始した。だが結局分かったことは、ここはどうやらかなり大きな森の一角であるということだけだった。
「やっぱり何もないわね……。もう少し奥の方まで行ってみましょう」
「そうだな」
2人は再び探索を続ける。するとしばらくして、今度は大きな湖を発見した。
「これは……、ちょっと不味いわね」
「確かに……」
2人の視線の先には、大きなドラゴンの姿があった。
しかもどうやら眠っているようだ。
「ねぇ、どうしようか」
「どうしましょうか」
彼らは少しの間話し合いを続けたが、最終的にこのままでは見つかると判断し、その場から離れることに決めた。
幸いなことにドラコンはまだこちらに気づいていないようだった。
「よし、今の内に逃げるぞ」
「えぇ、急ぎましょう」
2人は足早にその場を離れた。
「ふぅ……。なんとか撒いたかな」
「それにしてもあのトカゲ、一体なんだったのかしら」
「さぁ? あんなに大きな爬虫類は初めて見るよ」
「きっと珍しい種類だったのよ。だってこんなに綺麗なんだもの」
「確かに綺麗だったけど……」
「それじゃあ、次はどこに行こうかしら?」
「それなら一度街に戻ってみないか? 何か分かるかも知れないよ」
「それもそうね。でも大丈夫かしら? 私たちって今、この世界にいるはずがない存在じゃない?」
「う~ん……。それなら仕方ないから、こっそりと入るしかないんじゃないか?」
「そうね。じゃあ決まりね」
彼らはその後、街の近くで人目を避けながら『神域』に入る方法を探した。…… そして数日後。彼らはようやく『神域』への侵入に成功したのであった。
「うわぁ……。凄い景色だなぁ」
男は目の前に広がる光景に感動の声を上げた。
「本当ね。まるで夢みたい」
女もまた男と同じ感想を抱いていた。
「それで、これからどうするんだい?」
「とりあえず、どこか落ち着ける場所を見つけないと」
「そうだね。ここがどこだかも分からないんじゃ、どうしようもないもんね」
「そうよ。だから早く探さないと」
――グゥーッ! 女のお腹が鳴った。彼女は恥ずかしさのあまり顔を真っ赤にする。
「ごめんなさい。私ってばお昼ご飯も食べずに飛び出してきたものだから」
「いいよ、気にしないで。僕も同じだしね」
「ありがとう。でも私はあなたの方を心配してるんだけど」
「うん、実は僕も。だけど、まぁ何とかなるよ。それより今は、まずは食事が先決だよ」
「そうね。それじゃあ行きましょうか」
2人は辺りを散策しながら食料を探すことにした。
※この小説は「AIのべりすと」様に書いていただいた崇高なる作品です。どうぞ自由にご崇拝ください。
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