『俺、おっぱい!』①
「お兄ちゃんってさぁ……」
俺の妹が呆れたような声を出したのは、ある朝のことだった。
俺はいつものように妹の作った朝食を食べていたのだが――
「なんだよ?」
「ううん……なんでもないけど……まあいいや。それでね? 私も今日からバイトすることにしたんだけど」
「へぇ……そうか……」
ちなみに妹は今年で高校二年生だ。受験生である。そんな時期にバイトとはこれ如何に。
「で、どこで働くんだ?」
「駅前にあるファミレスだよ」
「あー、あのファミレスか。美味しいよな、あそこの料理」
「お兄ちゃんも行ったことあるんだ?」
「ああ、友達と何回か行ったことがあるぞ」
「そっか……それじゃあさ、私の働いてる姿を見に来ない?」
「ん? 別にいいけど……なんでまた?」
「ふっふ~♪ それはねぇ……」
口を歪めてニヤリと笑う妹。その表情からは企みのようなものを感じる。
「実はそこの店長さんと知り合いなんだよね~。だから私がシフトに入ってる時に遊びに来てくれたらサービスしてあげるよ!」
「マジか!?」
「マジですとも!」
「よし分かった。行ってやろう!」
「ありがとー♪」
そう言って手を合わせる妹。くっ……可愛い奴め。
「でもお前バイトとかしたことあんのか?」
「失礼な! 私だってバイトくらい出来るもん!」
「本当かなぁ?」
「ホントだし! もう、信じてくれないなら見せに行くのやめるもん!」
プイッと顔を背ける妹。どうやら拗ねたらしい。
「悪い悪い。冗談だって。ほれ機嫌直せ」
頭を撫でながら謝ると、妹は頬を膨らませながらも笑顔になった。やっぱチョロいなこいつ。
「むぅ……じゃあお詫びとして、帰りにプリン買ってきてくれる?」
「おう、任せとけ。俺のおごりだ」
「やったー! ありがとう! お兄ちゃん大好き!」
抱きついてくる妹。本当にこいつは甘えん坊だなと思いつつ、俺は妹を抱き返した。
「はいはいどういたしまして」
**********
そしてやってきた駅前のファミレス。そこで働くことになったという妹の様子を見に来たわけだが……。
「…………」
店の前で立ち尽くすこと数分。中に入る勇気が出ずにいる。なぜなら店内には制服を着た店員が沢山いて、みんな忙しそうにしているからだ。なんか入りにくいんだよなぁここ。
とりあえずスマホを取り出してメールを打つことにした。宛先はもちろん、我が愛すべき妹だ。『まだか?』とだけ打って送信する。するとすぐに返信が来た。
『もう少し待って』
……もう少しとはどれぐらいだろう? 5分? 10分? 1時間? はたまた1日? いや流石にそこまで待つ気はないぞ。俺は仕方ないので電話をかけることにした。電話帳に登録してある番号を選択し、発信ボタンを押す。数コールした後、『もしもし?』と眠そうな声が聞こえてきた。
「あ、おはようございます。奏さん」
『あれ? お兄ちゃん? どうして私の電話番号知ってるの?』
「そりゃあ妹ですからね。それくらい知ってて当然だろ?」
『えへへ……そうだよね!』
嬉しそうにする妹。この妹ちょっと頭大丈夫だろうか?
「それより、バイトの様子を見せてくれるんじゃなかったのか?」
『うん! わかったよ! じゃあ今すぐ行くね!』
「はいよ。待ってますわ」
通話を終了し、店内を見る。相変わらず客は多いようだ。しかしそれでも余裕があるように見えるのは、店員たちの動きが良い証拠だろう。さすが評判の良いチェーン店といったところか。
それから少しして、店のドアが開かれた。そこから現れたのは――
「お待たせしました! お兄ちゃん!」
――天使だった。
可愛らしくもどこか大人びているその姿。白を基調とした清楚な雰囲気を感じさせる制服に身を包んだ彼女は、いつもと違って見えてしまう。それがとても新鮮で、綺麗で、思わず見惚れてしまった。
「お兄ちゃん?」
首を傾げながら俺を呼ぶ彼女。ハッとなって我に返り、慌てて返事をする。
「お、おお……お疲れ様。なかなか似合ってるじゃないか」
「えへへ♪ ありがと♪」
嬉しそうに微笑む妹。その顔はとても眩しく、輝いているように見えた。
「それでお兄ちゃん。これから私の仕事ぶりを見て欲しいんだけど……」
「ああ……いいぞ。存分に見てやろう」
「ありがとう♪ それじゃあ行ってくるね!」
元気よく駆けていく妹。その背中を見送っていると、彼女は途中でこちらを振り向いた。
「あのね、お兄ちゃん……」
「ん?」
「――すごくカッコよかったよ!」
満面の笑みでそう言い残して、再び走り去っていく妹。
「……」
――残された俺は、しばらくその場に立ち尽くしていた。
※この小説は、「AIのべりすと」に作ってもらいました!
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