第6話 お泊まり2
あれから春菜を膝の間に拘束したままテレビを見続けた。春菜も途中まで抵抗していたが、最終的に慣れたのか抵抗せずに大人しくテレビを見ていた。
そういえばこの後ホラー番組だっけ
思い出し、番組を変える。
「え?先輩?」
「ん?何?」
「あのー私ホラー苦手なんですけど……」
そう言いながら、緩められていた抵抗が再び再開される。だがもちろん男の方が力は強いものだ、腰に回した手に軽く力を入れて無理やり固定する。
「そっかー楽しもっか」
「先輩ってやっぱりドS気質ありますよね、分かりましたよ大人しく見ますから絶対に離さないでくださいね、怖いので」
軽く返事をしてテレビに集中する。
こういう番組は正直嘘くさくてどうも怖さがないんだよなー
数十分後
「先輩絶対話さないでくださいね」
そうブルブル震えながら言ってくる春菜、さっきまで離れようとしていたのに今は腕にしがみついている
「でもそろそろ寝よーぜ、明日土曜って言っても流石そろそろ寝たい」
「絶対ダメです!」
「そんなこと言われてもなー」
「分かりました妥協案として一緒に寝ましょう」
「流石にそれは不味くないっすか春菜さん」
「先輩が悪いんですよ?責任は取ってください」
「せき……にん」
そして結局同じベッドの中
「先輩、もしなんかしたら……」
「わかってるって」
「賞金がでます」
「いや襲って欲しいんか」
「はい、ウェルカムですよ」
「……冗談はこれくらいにしてもう寝とけ」
「はーい」
俺も目を瞑る
「別に冗談じゃ」
とても小さな声でつぶやかれた春菜の声は玲の耳には届かなかった
朝目を覚ますと何故か体が重く思うように動けなかった。その理由はすぐに分かった、春菜に抱き枕にされていたからだ。どうしたものかと考えていると目を覚ました春菜と目があった。
「先輩?」
「おはよう」
「へ?え?なん、え?」
頬を紅く染めて困惑している春菜
「とりあいず、離してくれるか」
「あ、はい」
そう言うと、体から手が離れる。
「あの歯を磨いてきます」
「いってらっしゃい」
そういうと部屋を出ていった春菜
「積極的なのか、そうじゃないのか」
そんなことを呟きながらベッドに戻りもう一度目を瞑った。
再び目が覚めて部屋に向かうと春菜の姿がなかった。
「マジで夢だったのか?」
謎の寂しさに襲われながら家を歩き回る。やっぱり春菜の姿はなかった。
空腹を感じなにか食べようとキッチンに向かう
「あ」
そこには、簡単な朝ごはんが用意されていた。すぐ横に置いてあった紙には
『先輩へ、朝ごはん材料がなかったので簡単なものですが作っておきました。私は一度家に帰ります。着替えなどないものが多いからです。また来ます』
そう書かれていた。
謎に嬉しさを感じながら
「また来んのかよ」
と呟く俺は不覚にも少し笑っていた。
恋と愛の形 はす @tigerSun
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