第5話お泊まり
なんとなくのノリで春菜が家に泊まることになってしまったが、初めてあった相手と初日で付き合って、そのままお泊まりって結構やばい事なんじゃないか……
「せんぱーい!夕飯出来ましたよー」
「あぁ、ありがと」
夕飯は春菜が作ると言って聞かなかった。
「……おい、なんだこれ」
「普通のオムライスですけど」
「ちげーよ、ケチャップだよ!なんでハートなんだよ!」
出されたお皿には美味しそうなオムライス、卵にはケチャップハートが書かれハートの中に"すき"と平仮名で書いてある。
「あ、忘れてました!せーの、萌え萌えキュン!」
「ここは、メイド喫茶か!求めてねーよ」
「えー先輩からメイド嫌いなんですか?」
「別に嫌いじゃないけど」
「ならいいじゃないですか!」
「嫌いじゃないからってやっていいわけじゃないだろ」
「まぁもうケチャップはかけちゃったんですし、ほら噴水盆に帰らずっていうじゃないですか、冷めちゃう前に食べちゃって下さい!味には自信なあるので!」
「はぁー噴水じゃなくて覆水だし、覆水だとしても意味違うし……いただきます」
諦めた
「どう、ですか?」
「……びっくりするぐらい美味しいよ」
「よかったー、これでまずいって言われたらそこのベランダから飛び降りてましたよー」
「冗談でも、そんなこと言わないでくれよ」
「えへへ」
料理美味しいって言われると、嬉しいもんか。
その後入浴も済ませ、暇になってきた頃
「せんぱーい!先輩の部屋ってどこですか?」
「一人暮らしだから、全部俺の部屋だけど」
「あ、そっか。じゃ寝室は?」
「あっちだけど」
そう指差すと、小走りでトイレのドアを開けた春菜すぐに文句を言いに来ると思ったがトイレに入ったまま、出てこない。
少ししてトイレの扉が開きこちらに来る
「せーんーぱーい?」
ソファに座る俺に、春菜は軽く屈んでジト目で見てくる。
「なんだよ、悪かったよ」
「まぁちょうどトイレも行きたかったのでいいんですけど、注文は寝室なんですけどぉ」
行きたかったならいいじゃん!と言うのはやめておこう、大人しく「あっちだよ」と正直に指を指す。
春菜が寝室に入る。数分後戻ってきた。
「ベットの下にエッチな物無かったんですけど」
「そんなベタな展開ないだろ、てゆうかベットの下って広まりすぎて逆にベットの下隠しずらいだろ」
「じゃあどこなんですか?」
「教えるか!」
「持ってはいるんですね!」
「ーーまぁそりゃな」
「じゃあさーがそっと、うわっちょっえ?」
そう言って探しに行こうする春菜を掴んでこっちに寄せる
「せせせせせせせせんぴぁい?」
顔を真っ赤にしている春菜、今俺の膝と膝の間に春菜を座らせてお腹に手を回して固定している状態だ。
「なんだ?」
「こ、こういうのはもっと関係がぁ──」
「今なら俺らの関係何だっけ?」
「うぅ……先輩って意地悪でドSで変態だったんですね幻滅しました」
「うわひどい言われよう」
と言いながらも抵抗するように俺の手を振り解こうとする手に力はこもっていなかった。
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