第3話折り畳み傘3

 自分の家の玄関の前まで春菜の肩を借りてたどり着く。


「さんきゅ、もう大丈夫だから」


そう言って春菜の肩から腕を戻す。その時少し足に痛みが走り顔が歪む。


「全然大丈夫じゃないですか!ほらまた捕まってください」


心配はとても嬉しいが、その体勢だと鍵を上手く開けられないと思うので遠慮して鞄から家の鍵を出して開ける。


「ほら少し散らかってるけど、入ってくれ」

「…はい」


少し緊張しているのか、おそるおそる家に入る。


「とりあいず、、、風呂だな、奥行って右の方に風呂あるから、シャワー浴びてこい」

「いや、先輩の方が濡れてるんだから、先輩が先に入って下さい」

「レディファーストって言葉もあるだろ、ほら入ってこい、俺は足を冷やさないといけないんだよ」

「分かりました。私が出たら直ぐ先輩も入って下さいね」


そう言い残して風呂に向かった。俺は足を冷やすよりも先に、エアコンのリモコンを使い除湿をONにして冷房を付ける、梅雨のため蒸し暑いからだ、だが風邪をひいてはいけないので気温とあまり変わらない温度にしておく。そして脱衣所に行きバスタオルと、着替えを置いておく。濡れてしまっている、春菜の制服を干すために、脱いだ服を入れるカゴに手をつけると、明らかに他の制服などとは違う白い下着が見えてしまい、うわっ、と声が出そうになるが心の中で言っただけで、声には出ずに済んだ。下着類は見ないように、制服だけ干しておく。どうせ下着は濡れてないだろうし、大丈夫だろう。


「おーい春菜?着替えとタオル置いといたからな」

「え!?あ、はい!了解しました」


少し変な返しに困惑したが、全裸の時よく分からない男から声をかけられたら、それは焦っても仕方ないと理解する。



そして、5分くらいした後、春菜が出てくる。

その姿は、俺が普段部屋着としている、かなり楽に着れる、パーカータイプの物だ、上下セットのもので色は白だ、髪はまだ乾かしていないのか、とても長い髪が湿っていて、顔が少し赤い。

うん、とても可愛い…彼シャツとか結構憧れだったけど、現実に見ると何というか、ヤバい、語彙が無くなるくらいにだ。


「あの…下着、見ました…?」

「あ、あーすまん、下心は無かったんだ、早く乾かさないとって思っちゃって」

「別に、見たいな見ても、、、ゴニョゴニョ」


とても小さな声で呟いている。


「なんか言ったか?」

「いえ、何でもありません!」

「まぁ、バッチリ聞こえてたがな」

「はぁ?」


春菜の顔が真っ赤になる

可愛いやつだ。


「じゃ俺もシャワー浴びてくるよ」


返事を待たずに風呂場に向かう。





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