#このツイートは検閲されました

二石臼杵

検閲にいたるまで

めれんげ:「ツイッター始めました!」


めれんげ:「ツイッター始めました!」


めれんげ:「猫カフェなう」


めれんげ:「フォロワー三百人突破しました!」


めれんげ:「ひまー」


めれんげ:「今日のお仕事終わり!」


めれんげ:「しごおわ!」


めれんげ:「今週のジャンプも面白かったー」


めれんげ:「来週のジャンプ楽しみ」


めれんげ:「猫飼いたい」


めれんげ:「にゃー」



【ダイレクトメッセージが一件あります】


DM『あなたのツイッターを拝見しています。いったい何をつぶやいているのですか?』


DM『すべてのツイートが[このツイートは検閲されました]と表示されています』


DM『いったいどんな内容を送信しているというのです』


DM『私はそこに興味があってフォローさせてもらっています』


めれんげ『はじめまして。フォローありがとうございます』


めれんげ『私はただとりとめのないことをつぶやいているだけですよ』


めれんげ『猫カフェに寄ったときの写真とか、仕事が終わってほっとしたときの気持ちだとか、漫画の感想とか、そんなもんです』


DM『そうでしたか。その写真にセンシティブなものが写り込んでいたり、職場の人間や漫画に対して攻撃的なメッセージが含まれていたりはしませんか?』


めれんげ『いいえ、とんでもないです!』


めれんげ『こういうことしかつぶやいてません』


【@めれんげ がスクリーンショットを送信しました】


DM『拝見しました』


DM『なるほど……確かに問題なさそうですね』


DM『となると、ますます検閲されているのが不思議でなりません』


DM『これは不当な検閲だと思われます』


DM『どうでしょう、このことを訴え、他のフォロワーさんにも広く知らしめるというのは』


DM『微力ながら私もお手伝いいたします』


めれんげ『ありがとうございます。ですが遠慮しておきます』


DM『なぜですか?』


DM『すでに先ほどのダイレクトメッセージのやりとりのスクリーンショットをこちらのアカウントにてツイートさせていただきました』


DM『これであなたのツイートも害のないものだと証明されるはずです』


DM『おかしいですね。なぜか私の画像も検閲されて表示されなくなっているようです』


めれんげ『お気持ちは嬉しいのですが、もし私のツイートが普通に表示されたらフォロワーはどうなるのです?』


めれんげ『あなたのような興味本位の人たちは、どうせすぐに飽きてフォローを外すに決まっています』


めれんげ『ならば私は検閲で隠されたままの方が幸せです』


DM『何を言っているのです』


DM『無罪を証明できる機会なのですよ』


DM『そうか、やっと腑に落ちました。一連の対応は間違っていなかったんだ』


DM『あなたから危険な匂いを嗅ぎつけた運営は、先手を打って検閲することで被害を食い止めようとしていたんですね』


DM『あなたこそ本当に危険な[このメッセージは検閲されました]


DM[このメッセージは検閲されました]


DM[このメッセージは検閲されました]


DM[このメッセージは検閲されました]


めれんげ『どうやら余計なお世話も検閲されるべき対象のようですね』


めれんげ『これでどちらが正しいのか証明されました』


めれんげ『やはり私[このメッセージは検閲されました]


めれんげ[このメッセージは検閲されました]


[このメッセージは検閲されました]


[このメッセージは検閲されました]


[このメッセージは検閲されました]


[このアカウントは削除されました]

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