最終話 俺は二次元コンプレックスだ!
俺は、もうダメなのかと思い諦めていた時だった、ブレイが必死に黒い炎のような物を剣で弾き、俺達に当たらないようにしながら叫ぶ。
「平二!! 君は、こんなところで諦めるのか! 君の、僕達の愛の気持ちはそんなものなのか!」
「そうじゃない! だけど……これじゃあ、どうすることも出来ないじゃないか!!」
「本当に、そんなことを思ってるのか!? それに、君達はもうそれをどうにかする力はあるはずだ!」
俺は、ブレイが言ってことを深く考えていく、今までリアル女どもの心の闇を解決して、その後実は女達は魔払い一族だと言うことも知らされて……。
「そうだ! その手があった!」
俺は、どうにかリアル女どもに、俺に対して魔払いの力を使ってもらい、この世界の人間の闇を払うことにした。
確かに、これは一種の賭けではあったものの、実際に難波の妹の闇を払い、病気を治したという実績もある。
「クソ! だけど、範囲が学校の周りにしかいかない!」
「ふははははは! 万策つきたな!」
「それは、どうかな……マーシャ! 君の魔法で力を増幅させてくれ!」
「はい……ブレイ様」
ブレイが、マーシャにそう指示をだすと、瞬く間に光の力は広がっていき、多分だけど地球全体にいったと思う。
「うおぉぉぉぉ!! いけぇぇぇぇ!! 」
「やめろぉぉぉぉ!!」
俺は、どんどんと力が湧き出してくるように感じた、それを止めるために魔王は動こうとするが、遅かったのか黒い空は晴れていき、明るい何時もの景色へと変わった。
「ばかな! こんなことが、あるものか!」
俺も、正直言って魔王のように信じれなかった、だってこんなイベントなんてゲームにはなかったから。
「魔王ダグネス! それが、彼女達人間の光の心さ! 平二を思い、助けたいといった気持ちは本物なのさ!」
「あり得ぬ! 人間なんぞ、自分達のことしか考えてないではないか! それにだ、ブレイ! 貴様も、知っているであろう。人間が、魔族にどんだけ酷いことをしたのかを!」
そうだ、俺は魔王いや……ダフネス・ロストの魔族としての、迫害された過去を知っている。
それは、まるで奴隷のように扱われて、あらゆる自由や楽しみさえも奪われて、最終的にダフネス以外は全員滅ばされたのだ。
このシナリオは、ある意味敵側にも同情すると言った現象が起きて、オタク界隈で物議をかもしたとして有名だ。
「貴様は……それでも、そのような者達を庇うのか!」
「ああ……僕は、勇者だからな」
「あははははははは!! 傑作だな、貴様らの両親が戦争に巻き込まれて。死んだとも知らずにな!」
「なに!?」
俺も、そんなことは全く知らなかった、それは別に俺が覚えてないからじゃない、あのゲーム自体魔王を倒してそれを話す前に終わるからだ。
「そんなことって……」
「ふははははは!! これで、ブレイ! 貴様も、戦意喪失しただろ! 終わりだ!!」
魔王は、俺とブレイに向けて闇の炎を放ち、それが体に直撃して闇に染められしまった。
どんどんと、ブレイと俺の体を包み込んでしまう、闇のオーラをなんとかしようとするも、ブレイが先に闇に負けてしまった。
「ブレイ!!」
「あははははははは!! これで、勇者ブレイも終わりよ」
「それでも、ブレイ友達か! 俺は、知っている! お前が、唯一友達だった! ブレイのかとを!」
「何が、友達だ! 我に、逆らう者など友ではないわ!!」
俺は、魔王いやダフネスがブレイの唯一の友達だと言う事を知っている。
俺なら、絶対に裏切られかいけどな。
魔王は、勝ち誇っていたがそんな決心を固めた俺を見て驚いていた、しかも動揺を隠せないのか声がこわばる。
「なぜ!? 貴様は、闇に染められないのだ! どうなっている!?」
「それは……染まらないさ……だって、ブレイから光の心をもらったからな! それに、友達だからだ!」
「貴様! 現実に、絶望していたのではないか! なぜだ! なぜなのだ! 友達がなんなのだ!」
「は! 別に、今もリアルは嫌いだよ! だけどな、助けたい親友! ブレイがいるんだ!
お前と違って、俺は! ブレイのために、ここで倒される訳にはいかないんだよ!!」
魔王は、更に大量の汗を滝のように流して、顔が青ざめていてとてもじゃないが普通じゃない。
まさに、俺を恐れおののいてるような。
「それにだ! ブレイがいなくなってもいいのか!」
「しょうがないよ……だって、ブレイの幸せが一番だから! それが、本当の友達ってものだろ!!」
「なぜだ! 貴様は、こんな世界どうでもいいと思っていたのではないのか! 何故に、このような世界の人間を救おうとする!」
「別に、リアル人間なんて救おうと思ってないよ……ただ、友達のブレイの為にやっているだけだ! この世界の、奴らなんか正直どうでもいい」
魔王は、頭を手で抱えるて震えている、あまりにも理解不能みたいで、目が泳いでしまった。
その隙に、俺はブレイを自分の光の力を使って元に戻した。
「ありがとう……平二! 助けくれて」
「いや! 友達として当た前だ! 俺こそ、今まで支えてくれてありがとうだよ!」
「どうなっている!? ブレイまでもが! クソ! 私の闇の力が、無くなっていく!」
魔王の、闇がどんどんと弱くなっていき、体からはみ出す程度の力しか何故か残っていなかった。
「どういうこと?」
「魔族って言うのは、闇が無ければ力は発動出来ないんだよ……本来」
俺は、その初めて聞いた設定に驚いた、そんなものファンブックにも書いてないぞと。
「クソ! 貴様! かくなるうえは、ブレイ! 貴様を倒す!!」
「遅いよ! いくよ! 平二!!」
「ああ……いくぞ! ブレイ!!」
俺とブレイは、一気をピッタリあわせて、襲ってきたダフネスを同時に縦に斬り、やがて闇の力が消滅した。
「おのれ! 貴様ら! 許さんぞ!! いつの日か、貴様ら二人を闇にほおむってやる!! その時まで、首を洗って待っていろ!! ぎゃぁぁぁぁぁ!!」
魔王は、捨て台詞を言い終わると消滅した。
そして、その後に黒い渦が表れてブレイは最後の別れを言う。
「ありがとう……平二……そして、またいつ日か会うまでは……」
「え? 俺も、そっちの世界に一緒に行くからいいよ」
「え?」
ブレイは、不思議そうに首をかしげなから、俺のその発言に驚いていた。
だが、そんな俺を現愛が肩をつかみ、止めてしまったのでワガママ言う子供のように、じたばたして暴れる。
「行きたいもん! 行きたいもん! 一緒に、ブレイと異世界で生活するんだもん!!」
「止めなさい!! ワガママ言うんじゃないわよ! 子供みたいに! こっちが、恥ずかしいでしょうがぁぁぁ!!」
俺は、現愛にゲンコツを頭にくわえられて、怖くなったので渋々言うことを聞いて、ブレイ達を見送った。
そして、ブレイ達は完全に居なくなって、その後リアル女どもに冷たい目で見られてしまったが、そんなことはどうでも良かった。
一生、恨むからな!
だって、大事な友達のところに行かせてくれなかったから。
そして、数ヶ月経ってから俺は黒い渦が理科室に出ていたという情報を聞き付けて、廊下を走って向かう。
その道中、リアル女どもも一緒に着いてきて本当に迷惑だ。
「はぁ……はぁ……何か、あったの!?」
「ああ……今度は、手紙が俺の家のポストに届いてな。ブレイの世界が、魔王に襲われてピンチだって言うからな!」
「本当に、懲りないですね~」
「あら、あら」
「まあ、先輩ですから」
「本当に、お前みたいな生徒は迷惑ってもんだ」
走って向かってはいたが、コイツらには一言言ってやらなけらばならない、別に俺につきあっていちいち行かなくいいことと、後俺は……。
「そもそも! 俺は二次元コンプレックスって! いつも、言ってるだろ!!」
「「そんなことは、言われなくても知ってるわ!!」」
全く、リアル女ってのはろくなのがいないな、やはり俺は二次元コンプレックスで良かったよ、こんな面倒臭い連中と付き合おうと思わなくていいと思うと。
そんなことより、二次元キャラのブレイと早く会いたいと、この時ずっとそう思っていた。
俺は二次元コンプレックス 黒金 影輝 @voltage
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