9 ヒーロー見参
(今度の今度こそは本当に終わっ──)
と思いかけた瞬間、二体の妖怪は体を
「ギリギリセーフ」うしろから声がした。聞き
「ママ!」
「ヒーロー
チハルは〈
「なんで?」フミカには母のポーズにふれている
「説明は
と言った。
「ママ」
「ん、なあに?」
「あそこでしびれている妖怪のふたり、私の
「え、どうゆうこと?」
フミカはここであったことを
「ええ! この妖怪たち
「よくわかんないけど」
「つまり、フミカの
フミカはうなずいた。
「おかしいなあ。そんな話きいてないわ。
「ママ?」
「あっ、ごめん。あの二人は同級生なのね。じゃあ、ビリビリのままじゃかわいそうね」
チハルは両手で
「
と
妖怪たちを
「ママ!」
チハルは
すべらし坊がパンチとキックの
すべらし坊の
「ママー!」
今まさにチハルが押し潰されるという
「
チハルがそうつぶやくと、岩男の巨体が空中で大きく一回転した。
ズッドーーン!
岩男の巨体が廊下の床に打ちつけられ、
「え?」
フミカは、目の前でなにが起こったのかわからなかった。手品でもみせられたような気分だ。
「大丈夫よ。
「あ……うん」フミカは混乱していた。
「この二人をかかえて
「しかたない。ここに
そういうと、一枚の〈護符〉を床に落とした。すると、
床に落とされた〈護符〉には、「結界5m」と書かれていた。
すさまじい
チハルはフミカに笑顔をむけると、
「これで、この中が安全だって、わかったわね」
といった。
しばらくして煙が晴れると、教室があったはずの場所ががれきの山になっていて、校庭がむき出しになっていた。
校庭には、天使と
「ばあば?」
フミカの祖母キヨエがいた。
キヨエはいつもの
「ばあば、なにやってんの? あんなとこにいちゃあぶないよ」
「大丈夫」
チハルはそう言うと光のドームから出ていった。
「ママ! どこ行くの!」
「フミカ。そこから絶対出ちゃダメよ。わかった?」
「うん。それはわかったけど……」
「まあ見てなさい。ママとばあば、ここからカッコイイからさ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます