4 将門神社
フミカは将門神社につづく
坂をのぼりきり、
バンッ!
フミカは、扉がこわれるのではないかというほどのいきおいで玄関の
「なんで学校に来んのよ! しかもあんな
「ど、どうしたの、フミカ」母チハルがきく。
「どうしたのじゃないわよ! あんな
そう
チハルとチナツが口をあんぐりとさせたまま
フミカは、自分の部屋にいってからも怒りがおさまらないままだった。
コンコン。だれかがドアをノックした。
「フミちゃん。入ってもいい?」
「……うん。どうぞ」
部屋にはいってきたチナツの手にはフミカのランドセルがあった。
「宿題とかあるのかなっておもって、もってきた」
「……ありがと、チナッちゃん」
チナツはランドセルをフミカにわたすと「ちょっとお話しない?」と言った。
「うん」
「わたしもフミちゃんの気持ち、よくわかるんだ。わたしも自分の家が神社だってことがイヤでたまらなかったタイプだったからさ。しかも
「……」
「でも今回は、ばあばもチハルちゃんもたいへんだったみたいだね。二人がかりで三日間も
「それは……わかってる」
図書室の幽霊は、もともとはだれもいなくなった図書室でこっそりと読書をたのしむだけの、おとなしい
「なにかよくないことがおきているのかもしれない」チナツがぽつりとつぶやいた。「ここさいきん、二人の除霊の数も急にふえてきてるし、なにかがいつもとちがう。除霊師ぎらいのわたしがこんなこというのもおかしいんだけね」といって、チナツは笑った。
「なにがおきてるとおもう、チナッちゃん?」
「わからない。わたしにはそういう力ないしね。でも、実家が神社ってことはいやだったけど、二人の力は信じてるんだ。この世界に、幽霊やら妖怪やら、この世のものじゃないモノが存在してるってのも
「そう……だね」
「まあ、そういうことはばあばとチハルちゃんにまかせて、フミちゃんはまず宿題をしなさい」
「うん。ありがと、チナッちゃん」
フミカはランドセルの中身をみて「あああ!」とさけんだ。
「どうした?」チナツがおどろいてランドセルの中をのぞきこむ。
「宿題、学校にわすれた」とフミカはいった。
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