第2話 軍需企業MASKの勃発
◇◇◇
――西暦二〇五〇年。
未知の素粒子〈アニマ〉が日本で発明される。
あらゆるエネルギーに代用できるこの粒子の発見は、化石燃料の
更に〈アニマ〉発見の第一人者である
免疫力の活性化や自然治癒力の驚異的な向上を確認することとなった。
それはエネルギーの革命だけではなく、人類の進化そのものに影響を与えた。
しかし〈アニマ〉の共同開発を行っていた
それを財閥が囲う私設武装組織の警備兵に実験的に投与しはじめた。
記憶の共有化によって、ただの民間人が一夜にして歴戦の軍人へと変貌。
同類の〈アニマ〉を投与された仲間とテレパシーのごとき
一人一人の視点を皆が共有することで、マクロ化された視界による
いわゆる勘……経験則にのっとった状況判断や、兵士としての心構えは言うまでもなく、すべてがインスタントにまかなえるようになったのである。
――〈
個としての自分を
白面財閥は
そしてそのMASKの
世界の
しかし裁判は父が一方的に敗訴し、空木家は今まで築き上げてきた財のすべてを失った。
結果、僕らは住処を追われ、あえなく引っ越しを余儀なくされてしまうこととなる。
あの日、僕が雨の日の朝に聞いたのは、そんなできごとだった。
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