第7話 ループ④

 むかつく。私は遠崎くんのことが一瞬で嫌いになった。


「おはよー」


 笑顔を振りまく。歪な表情だってことは分かってる。でもむかついてしょうがない。


「おはよう嘉美。今日はなんかいたずら?らしきものなかったんだ。」

「良かったね‼︎」

 今日は仕掛け忘れちゃったな。残念

「あ、実がそういえば話があるんだよね。」

 は⁉︎何なんだよ

「うん。ちょっと後でいいかな?」

「、、、いいケド」


 正直超絶めんどくさいと思いつつ、一応話に乗ることにした。沙耶の前じゃなかったら断ってたけど。まぁ私も沙耶との関係について聞きたいし。

 そして昼休み、人気のなさそうなところに呼ばれた。


「ねぇ、嘉美さん。あのさ、、、

「そういうのいいから。うざったい。話は要約してくれる?私も聞きたいことあるんだから。」

「わかった。じゃあ単刀直入に聞く。

  沙耶のこといじめてるのお前だよな??」


 なんで、、、というかさっきと全然雰囲気が違う‼︎そっかこいつも沙耶のことが好きなのか。一方的に近づいているパターンだな。私はそう悟った。


「なんでそんなこと言うの?酷いよ」

「お前以外いない。いつも心配してると見せかけて笑ってたろ」

「そっかそっか、、、気付かれちゃったかぁ」


 私はもう隠すつもりもない。さっきも思ったがここは人気がなくていいところだな。こいつに何言ってもバレないんだし。


「そうだよ、私なの。だって好きな人には誰だってかまって欲しいものでしょ?美しい沙耶の全てが私は欲しい。ああなんと美しい世界が始まるんだろう。」

「お前気持ち悪っ」

「なんでよ。うざったらしく付き纏う君の方が気持ち悪いでしょ。」


 本音がどんどん溢れてくる。ドス黒い何かと一緒に。そして遠崎が口をまた開く。


「こんな奴がいるから沙耶は死んだんだ。お前のせいだ、お前のせいだ、、、」

「いきなり何を言い出すの、、、!


        グサッ



 私の腹から血がぼたぼたと流れていく。は⁉︎なんで私が、というかこれ私刺されたの?最悪なんですけど。つーかこいつどっから凶器出して、、、やばいもう頭まわんなくなってきてるし。最後になっちゃうのかな。こんなモブに殺されるなんて。一目沙耶を見たかったな。


    –▲▲様へご報告−

西暦20××年7月13日●●中学校において殺人事件発生

被害者は環 嘉美。加害者の名は伏せることとする。なお、これからも報告は継続する。


 


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る