第5話 ループ②

 いつもと変わらない風景、いつもと変わらない時間帯。そして違うのは隣に沙耶がいること。さっきの言葉が頭の中を埋め尽くす。

すると、


「さっきからどうしたの?眠気ありありですか。」

「いや、あの、その、ええっと、、、」

「出た!『口モゴモゴ症候群』!何言ってるかわかんないよ〜w」


 相変わらずマイペースに話を進められてしまう。ちなみに『口モゴモゴ症候群』とは繋ぎ言葉を連呼してしまう症状である。そんなことは置いておいてまた会話が続く。そして僕はついに聞いてしまった。


「ええっとさ、なにか悩んでいることある?」

「それ、聞いちゃうか。何となくさっきの私の態度で勘づかれちゃったかなとは思っていたけど。」

「それで、、、」

「少し考え事とかしちゃって。名前は出せないけどずっと嘘つかれているような感じがしてて悲しいんだ。」

「そっか。大変だね。僕だったらそんなことしないのに。」


 我に返った。すっごい小っ恥ずかしいことを言ったことに気がついて言った言葉を訂正したいという気持ちでジェスチャーをする。すると沙耶はくすくすと笑い、


「そうだといいな」


 と呟いた。そして僕は考えた。彼女に嘘をついている人間、それは1人しかいない。同じクラスのしっかり者で、、、


彼女の親友、環 嘉美たまき かみだ。







    ー次回、新キャラ登場!ー



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