第4話 ループ1①

 昨日の風景が繰り返される中僕は昨日の今日を生きていた。何が原因かわからないまま彼女は亡くなってしまって何をすればいいのか分からない。でも行動起こすのみ!スマホの連絡アプリを開いて


「今日一緒に学校行かない?」


 と打った。素早く送信すると


「いいよっ。久しぶりだな〜」


 1分で返信が返ってきた。それよりも少し彼女と一緒に学校に行けることが嬉しいということに気づいた。そして


「うおっしゃー‼︎‼︎」

「うるさいよ!静かにしな実‼︎‼︎」


 雄叫びを上げたと思ったら間髪入れずに母に怒られた。何というか世話焼きさんって感じがしてtheオカンみたいな母親だ。昨日のあの泣きようとは大違いだ。

 ブツブツとさっきの雄叫びについて問いただされながら朝食を食べる。質素な日本食だ。、、、やばい、遅れるかもしれん!


「行ってきます‼︎」


ガチャ

「やっほー。」

「うわぁっ⁉︎」


 まさかの彼女はぼくの家の前に待っていた。それは幼馴染だから昔はよく具合が悪い時とか見舞いに来てくれたから家は知っているはずだ。しかし今来られたら少しビクッとする。すると声が聞こえたのか母親が家の中から出てくる。


「あらー沙耶ちゃん。久しぶりね。元気?学校楽しい?」

「はい。学校は、、、楽しいです。」


 母親は聞き逃したようだが僕は聞き逃さなかった。彼女の返答が暗く社交辞令のようだったことを。




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