第2話 能力
世界の終わりのように変わり果てた心情。深い闇に包まれていくような嫌な気持ち。いつまで経っても晴れないものなんだと自分でも何となくわかっていた。下では先生たちが駆けつけて屋上にも誰かが登ってきている。
そして警察が到着した。僕は事情聴取を行われたが何も話すこともなく、1時間で返してもらえた。家に帰ると母親は泣き崩れながらも僕の元に駆け寄った。
それを少し避けれるように自室に向かう。そしてもう一度泣いた。彼女がなぜ死んだのか。そこまで追い詰めたものは何なのか。知りたい、いや、知らなきゃならない気がした。そこで僕は禁断の祖父から貰った本を開いた。超能力についてまとめられた情報漏洩禁止のものだ。そこには
《タイムリープ》
と大きく書かれている。これが僕の欲しい力。代償は水で濡れてカピカピなのでよく見えなかった。しかしそれ以外に方法はないと思った。必要な紙とペンを用意して日時を指定する。そして裏面には大きな目玉を描く。これがタイムリープの最重要ポイントらしい。くっきりと書かれたそれはとてもと言うほど気味が悪かった。
そしてその紙を枕の下におき、眠りにつく。すると夢の中で精霊が現れ、僕に力を与えてくれるらしい。うまくいくかはわからない。でもこれしか僕には方法が無かった。だから紙を枕下に置いて眠りについた。
蝉の声はもう聞こえなくなっていた
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