第5話
「どうした?嬉しくないのか?」
「ハウト、私は降りられないんだ。だからここでお別れだね。」
降りられない?お別れ?どういう事だ?
「なんでだよ。2人で帰れるんだよ?なんでそんなこと言うんだよ。」
「私はここが好きだから」
「そんなの嘘だよ。そんな理由じゃないだろ?なんで俺には教えてくれないんだよ。」
「じゃあなんで思い出してくれないのよ!」
「っっ!!」
その時、僕の頭の中に浮かんできた。浮かんできたと言うよりもっと強引に、飛び込んできて僕の脳みそを貫いた。僕が受け入れられなかった記憶が、僕の脳みそにくっついて離れなかった。
、、しんだんだよ。ミラは。ボクは助かって、ミラはしんでしまったんだ。あの日、あの列車の事故で。なんで、こんな大事なことをボクは!忘れていたのか。さよならも言えないまま、ずっと、伝えたかったことの一つも伝えられないまま僕は、大切なものを失ったんだ。一緒にいると大切だって気づけないのはきっと、晴天では星が輝けないように。僕はこの暗闇に、君という光を失った世界で気づいた。
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