第3章 真祖編
第28話 プロローグ
「はぁ・・・いつになったらお客さんが来てくれるのかしら?退屈だわ。」
周りが星空のようにきらめいている空間。
そう、快人がノアと出会った空間とそっくりなその場所では、ノアとは別ベクトルの絶世の美少女が優雅に赤いワインを飲んでいた。
金髪ツインテール、赤眼に、小柄。
服装はゴスロリちっくな漆黒のドレス。
そんな属性だらけの美少女ははぁ・・・とため息をついていた。
『これでも、あなたにある程度、配慮しているのですよ?』
「・・・私を隷属させているにもかかわらず?」
銀髪青眼のノア・・・ステラがいつの間にか、美少女の向かいに座っている。
自分が直前まで存在を感知できないなんて・・・と美少女は少し驚く。
そして、自身の首をなでた。
そこには、彼女には合わない、まがまがしい文様がぐるりと彼女の首に首輪のように刻まれていた。
『真祖リディア・・・あなたの役目はここに来る者を排除することです。それさえきちんと果たせば、あなたは自由ですよ。』
「それだけの力があって、わざわざ私を使うなんて変な話ね?」
『下手な勘繰りは己の身を滅ぼしますよ?』
「きゃぁぁぁっ!?」
バチバチッと彼女・・・リディアの首の文様から黒い稲妻がほとばしる。
リディアは手に持っていたワイングラスを落とす。
地面に落ちたワイングラスは派手に割れた。
『やる気がでるように約束しましょう。ここに来た1人目を排除できれば、あなたは好きにここから出て行っても構いませんよ?ただし、ここに侵入者が来るたびに、呼び戻させていただきますが。』
「それは・・・信じてもいいのよね?」
『私は嘘はつきません。いえ、つけないのですよ。』
「・・・分かったわ。」
『物分かりがいいのはいいことです。』
パチンッとステラが指を鳴らすと、割れたはずのワイングラスは消え、テーブルの上に、ワインが注がれた状態のワイングラスが置かれていた。
まるで、リディアがワインを飲み始める前に戻ったかのように。
「やっぱり・・・不思議ね。」
『また、お仕置きが必要ですか?』
「いらないわ。傷はないのにあんなに痛いなんて・・・」
うんざり、という表情をしたリディアを見て、ステラはほんのうっすらとだけ笑みを浮かべる。
『あの程度の痛みなら、あなたが敵に与えていたものと比べればマッサージにも等しいでしょうね。』
「あら・・・敵が可哀想になってきたわね。もうちょっと手加減すべきかしら?」
『いえ、その残虐性は買っているのですよ。でなければ、ここの守護者として、あなたを配置しません。』
「そうはいっても、最近、私、落ち着いてきたのよ?」
『戦いの時だけは、昔に戻ってくれることを祈りますよ。真祖リディア。』
「敵次第かしらね。」
『そうですね。それでは、またいずれ。』
「私はもう会いたくないわ。」
嫌という感情を前面に押し出した表情を浮かべるリディア。
『少なくとももう1度は会うことになるでしょう。』
それだけ言うと、ステラは何の予兆もなくその場から姿を消した。
「はぁ・・・早く誰か来ないかしら。」
この2日後、リディアに元へとお客さん達が現れる。
ただ、そのお客さん達は5分も経たずに、かえってしまったのだった。
――――――――――――――――――――
作者「久しぶりのボス枠の登場です。ステラ、ラスボスっぽいですねぇ。」
リディア「あら?お客さんかしら?」
作者「私はお客じゃないですよ!?」
リディア「そうなの?」
作者「そうですって!だから、にじりよらないで!?」
ステラ『それは客です。でなければ、呼び出しません。』
リディア「とのことよ?」
作者「ノー!?私は、お客じゃあないですってばー!」
リディア「そうなの?でもごめんなさい。私もお仕置きされたくないの。」
作者「ちょっと待った!私を襲ったらひどいことするぞ!」
リディア「どうやって?」
作者「そ、それは・・・そう!私には世界を書き換える力がある!」
リディア「あら?それなら、この状況もその力で解決すればいいのではなくて?」
作者「発動に時間がかかるの!」
リディア「それはどれくらいかしら?」
作者「(うーん、1話分書くのにどれくらい時間かかるかなぁ・・・)場合にもよるけど、2、3時間!」
リディア「運がなかったということね。さようなら。」
作者「のぉぉぉぉ!!」
作者(全治3か月のけがを負いましたが、一応、生き残りました。)
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