第24話 ボス部屋前

「ぜぇ・・・ぜぇ・・・」


「はぁ・・・はぁ・・・」


 徹も快人も疲労困憊という様子で寝転がっている。

 1日半ぶっ続けで走り続けて、ようやくボス部屋の前へと到着していた。


「タイム・・・アタック・・・だったら・・・最速かもな・・・」


「そう・・・ですかね・・・」


 Aランクダンジョン48層をたった2日で駆け抜けたというのは凄まじいことである。

 もちろん、妖精の雫という貴重アイテムあってのものだが。

 それに加えて、途中から快人はノアに手伝ってもらっていた。

 もちろん、徹には姿を見せない形で群れがあまり来ないように相手してもらっていたのだ。


(何個使ったっけ?)


 余裕で二桁の数を使用した妖精の雫のことを考えて、少し気分が落ちる。

 が、貰い物なので、こういったところに使った方がピクシーたちも喜んでくれるだろうと、快人は考えて、気を持ち直した。


(つーか、学校大丈夫かな・・・)


 勝手に休んで騒ぎになってないだろうか、と少し心配になる。

 実は武田が伸司に連絡しておいたので、学校に休みの連絡はきちんと行っているので問題はないのだが、快人がそれを知る由もない。


「体力は?」


「正直戻ってないですけど、先輩が大丈夫なら行きます。どうせ、俺は援護だけなので。ルーは元気ですし。」


「ルゥ♪」


 さすがモンスター、人とは違うのか、2日間戦いまくっていたにもかかわらず、普通に元気である。

 だが、徹のワイバーンは似たように戦い続けていたのだが、疲労困憊でもう戦えそうになかった。

 ルーが特別なのには、徹は気づいても、快人は気づいていなかった。


「こっちは主力温存できたから大丈夫だ。いくぞ!」


「というか、先輩じゃないと無理ですからね。頼みますよ。」


「分かってる!」


 ふぅ・・・と徹は大きく息を吐くと、ボス部屋の門を勢いよく開けた。


「理恵っ!今助ける!だから、待ってろよ!」


「イケメンめ!」


 映画のワンシーンのような光景に、快人は少しからかうようにツッコむ。

 そうでもしないと、今から始まる激戦におびえてしまいそうだったから。


――――――――――――――――――――


ノア「ごめんね。」


ゴーレム達『・・・排除。』


ノア「バイバイ。」


ちゅどーん(ノアの攻撃によりゴーレム達が爆砕した音)


ミスリルゴーレム(ゴーレム系Bランクモンスター)『危険危険!排除!』


ガインッ!(ゴーレムの拳とノアがぶつかった音)


ミスリルゴーレム『!?』


ノア「邪魔しないで。」


ブンッ!グワンッ!(ノアの腕がミスリルゴーレムに当たり、ミスリルゴーレムがへこんだ音)


ミスリルゴーレム『きききき・・・危険・・・・』


ノア「うるさい。」


ゴウンッ!(ノアのキックにより、ミスリルゴーレムがへこみ、停止した音)


ノア「うーん、カイトの邪魔をしそうなモンスターはもういないかな?」


キョロキョロ(ノアが周りを確認中)


ノア「えへへ・・・帰ったらカイトに労ってもらーお。」


ほわんほわん(ノアが何をしてもらおうか考える擬音)


別のミスリルゴーレム『排除!』


ガシッ!(ミスリルゴーレムがノアをつかんだ音)


ノア「・・・せっかくいいところだったのに。」


ボゴンッ!(ノアをつかんでいたミスリルゴーレムの指がはじけ飛ぶ音)


ブゥンッ!(ノアがミスリルゴーレムをぶん投げる音)


ズゥゥンッ!(ノアがミスリルゴーレムを放り投げ、別のゴーレムの群れを潰した音)


ノア「あ・・・やりすぎたかも・・・」


快人(ノア!何があった!?)


ノア(何でもないよ。大丈夫。)


快人(そうか?まぁ、バレないように頼むぞ!?)


ノア(もちろん!)


ノア「むぅ・・・快人に怒られちゃった・・・ゴーレムのせいだよね!」


作者「その後、八つ当たりのように、ゴーレムを倒したとかなんとか・・・」


ノア「そこにもいた!」


作者「ぎゃぁぁぁっ!私、ゴーレムじゃないよ!」

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