指輪

「指輪」


あっち向いてホイと笑う君の指が美しくて


僕は目を離すことができなかった


膨れた君の手が僕の鼻を摘むその匂いが


あまりにも甘くて苦しくて


僕は口を開き君の小指を千切る


君の笑顔を染める赤い糸が切れないように


口の中で転がす小さな良薬の余韻


腹の中で微笑む君の思いが熱く


満たされた瞼が鉄になる

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