後書き

「後書き書こっかな~いやでも人気ないしな~需要ないなら書いてもな~チラチラ」とこざかしく読者の反応を待ったり、いつもの先延ばしグセが大発動したりしてすっかり書くタイミングを逃してしまった後書きです。


どうも。

はっとりおきなと申します。


『恋のキューピッド、あの人を撃ちまくれ』、最後までお読みいただき本当に、ほんとーーーうにありがとうございました。



「強くてハチャメチャな女の子たちを書きたい」「弓矢のイメージがある天使に銃を持たせたい」という思いから、たしか10年ほど前には構想が始まったおはなしです。


当時から作家になることに憧れていたはっとりおきなくん、考えるお話も書くお話も全て恐れ多くも長期連載を前提として書いてばかりで。


当然「キューピッド」も現在休載中の物語「こんなにも」と同じくらいの長さを想定したモノでした。


その既定路線が2016年に応募した新人賞でバキベケに砕け散り、最近になって1冊読み切り路線に物語の大枠を再構築して生まれたのが今回の「キューピッド」です。



「夢魔」というネタは、長期連載ver.の最後の最後、最終章で使おうと思っていたもの。



私は物語を書きたいシーンありきでプロットを組んじゃうもので、作品の主題、テーマ……物語の根幹のようなものが最後の最後までブレ続けています。

これまでの色んな物語を作ってきましたが、恐らくすべてが自分の中でテーマがまったく定まっていません。



なんて読者が見るとこで言っていいのかしら。(;翁)

根が俗っぽいというかテキトーなので、全然ダメなんですよね。

「テーマ」という言葉そのものにニガテ意識があるというか、締め付けられるような気持ちを覚えるというか。



なので「夢魔」の登場も、当初は「ヒロインズが主人公に惚れる理由」「全女生徒による主人公の奪い合い(は、結局灰田愛がほぼ男子校になったことでボツとなりましたが)」という展開を手っ取り早く作るために思い付いた、という程度のものでしかなかったのですが。


最終章を書き進めていくうちに、「ラブコメ」に「夢魔」って実は「混ぜるな危険」だったのではないかな……とこわごわするようになりました。



だって夢魔は「ラブ」の根っこである「好き」をやりたい放題に操るのです。


主人公とヒロインの駆け引きやすれ違い、じれったい意思疎通で面白い恋路を作るかって、ラブストーリーの結構大事な要素でしょう?


「キューピッド」ではそれを、夢魔王ヨハイン・リフュースがすべて暴露してしまう。

まるで設定集を読み上げるようにタレ流し、ヒロイン達の主人公への想いや、想いをどう伝え主人公にアプローチするかという「恋路」を彩るすべての要素、つまり生まれるはずだったドラマをすべてブチ壊してしまいます。


そんなものを果たしてラブコメと呼んでいいのか、小一時間悩みました(もっと悩め



更に厄介なのは、「夢魔の全否定」はイコール「キューピッドの全否定」にもつながりかねないこと。


本作の夢魔とキューピッドは、実は能力的に見れば似通った力を持っています。

クピドの矢も恋堕の魔眼も、人の「好き」をいいように操る力。


この差異をどう描写していくか。

クピドの矢と恋堕の魔眼の違いは何か。

どう物語に絡め、どんなキャラの行動や結末に結び付けていくべきか。

そうした深みと、ストーリーのエンタメ性とでどうバランスをとっていくべきか……



テーマがブレブレぶらり旅なもので、こんな物語の評価に直結するような問題に執筆と同時並行でブチあたるのが私の創作の常です。_(⌒(_;公)_人はそれをぶっつけ本番という


結果、面白いものが仕上がったかどうかは……読者の皆様次第、という感じでしょうか。


はっとりおきなの、その時の考えや思い付き、98パーセントの作業と1パーセントのひらめき、そしてもう1パーセントの感情。


それらを、物語が破綻しない程度に可能な限り詰め込んだのが「キューピッド」であり、はっとりおきなの創作物です。


……という言い回しも、今コレ書きながら思いつきました(*翁)ウフ。



私の創作が、どうか皆様の心をわずかでも揺り動かしていますように。



えーと。こんなものでいいのかしら。(;翁)

なにせ後書きを書くの自体が実にウン年ぶりでもはや初めてといって差し支えないくらいなので、何を書くべきかさっぱり分かりません。



あとは商業作家の方々のように、お世話になった出版社や編集者さん、家族などにお礼を申し上げればソレっぽいのでしょうが……書いてて悲しいですが出版社や編集者さんには見向きもされてませんし、家族は応援どころか私を30代になっても部屋に引きこもり、世のプロには到底及ばないオナニー作品を自画自賛して、せまいせまい自分の世界に閉じこもり続けているだけの異常者としてしか見ていませんので……今のところは、この作品を読んでくださった皆様への感謝を、少しだけ。



修飾語だらけの読みにくい文章を、熱心にここまで読み進めてくださった皆様。

毎日「いいね」や「スター」を下さる皆様。

感想やレビューを下さった皆様。

近況報告やTwitterまで見ていただいてる読者様。

毎度、コメントを下さる読者様。



本当に本当に本当に、本当にありがとうございます。

あなたがたを通知でお見かけするたびに、どれだけ嬉しく、ホッとすることか。


筆も遅く、よく失踪し、時間も守れない上明るい話一つなく近況でもひんぱんにグチっているような社会不適合者が、それでも筆を折らずに活動し続けようと思えるのは、ひとえに皆さんが読んでくれる、見ていてくれるという希望を持つことができているからです。


物語を書くことに虚しさを覚えなくて済んでいるのは、誇張でも何でもなく、待ってくれている読者の方がいることを信じられるからこそです。


その一点だけをとっても、私は恵まれた作家です。


出来得る限りご期待に沿えるよう、少しでも皆様の心を動かせるよう、これからも私なりに活動を続けてまいります。


こんな私ですが、どうぞよろしくお願いいたします。



「キューピッド」はこれにて完結ですが、今後も新人賞等に応募するため、しばらくの間は少しずつ改稿――加筆・修正を重ねていきます。


その結果、シーンや時系列、登場人物たちの活躍や言動がすこーしばかり変わることもあるかと思いますが……

それらも含めて、楽しんでいただけると幸いです。


3サイトに渡って連載していたので、評価のお願いをするのも難しいのですが。

感想や★での評価、いいねやレビュー、ブックマークなど、ドシドシお待ちしています。

特にエブリスタなどは注目作としてピックアップされる50スターまであと16スターとなってますので、日に1度、投げていただけると大変助かります(m公)mよろしくおねがいしま!!!!


『恋のキューピッド、あの人を撃ちまくれ』。

改めて、読んでいただきまして本当にありがとうございました。


はっとりおきな

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