第57話 最後・の・恋堕
「なんとか……なんとかできませんか
「……傷を
「レピアッ!!」
「ぁ――や、あ。アタシも、そういうのは――」
「……むー、く……」
「!!! 風ちゃん!」
「……わたし、の……ことは……」
「っ――できるワケないだろそんなこと!! 見捨てられるもんかッ! 僕が君を絶対――」
「そう、
「
「落ち着いて。
「そんなこと――」
「
「ッ――……そう、だと思います。
「……『
「はい。だから、僕にできるのはもう――せいぜい、あと一度この眼を使うことくらいです。霧洩先輩はっ、」
「……うん。私も正直、もうこうして座っているのも
「……すみません。僕が思い切り攻撃したから――」
「ううん。そうしなきゃ、私はきっと今もヨハインに操られていたから……きっとそれは、
サクラが
そう、相手は
時が過ぎる。
過ぎるほどに、ヨハインは
夢生が顔を
「ぁぁあああぁぁああああああっっ!!!……何が
「ッ――」
……そんな場合では
レピアの胸は、またシンと小さく痛む。
そして
(いっそ、この身を
「――――――――、」
(……そうだよね、神ぴ。きっとそれが、アンタがアタシに与えてくれた
「…………ねえ、むー。
「――――え?」
「
「――そんなこと君にさせ」
「
「――――れぴ、」
「本当なの? レピア・ソプラノカラー」
「アタシ、こう見えても天使だから。本当は、今みたいにボロボロじゃ
「でもッ僕そんな――そんなことしたらっ、戻ってこれるかどうかも分からないんだよ!? 解除できたって、君にどんな
「いいんだよ。アンタたちのためになるなら」
「そんな――」
「ああ違う。違うわ。ごめん。
「――――え、」
力無く
レピアは泣いて、夢生を見る。
「でもわかってんだ。アタシじゃだめだって。だってアンタ好きなんだもん、
(…………ああ、)
「だからねっ……これはあんた達のためにやるんじゃない。自分のためなんだ。
(僕はまた――いやきっとこれからも、こうして、)
「壊れたっていい。戻ってこれなくたっていい。またあいつのものにされるくらいなら――――アタシは一瞬だけでもむーのものになりたい」
(罪を重ねていくんだろう)
「アタシを選んで。夢生」
「……わかった」
――泣かなかった。
泣いては、きっと彼女にこれ以上の罪を共に背負わせてしまうから。
「こっちに来て。レピア」
「……うん」
「もっとだよ」
「うん」
「見て。僕の眼を」
「――うん」
レピアが、夢生の首に
「きて。むー」
「……いくよ」
夢生が、レピアの中へと
レピアの
「っ!!? ちょっとレピア・ソプラノカラーッ……!?」
思わずサクラが口をはさんでしまうほどに場違いな
その
(なにこれきもちいっ――あいつにやられたときと比べものにっっ――――って、)
「ぐぅッ……ううぁああああ……!!!」
――
狂おしいほどの
レピアの奥まで届かない。
夢生にはもう、力が残されていない。
(
夢生の眼で、
巻き起こっていた魔力の
(――夢生がアタシを好きじゃないから?)
(――僕が風ちゃんを選んだから?)
――
もはやひとかけらもすれ違わない気持ちだからこそ、その事実が――――決して結ばれることはないと
足りないのだ。
互いを
「ッ――――こんなんじゃたりないよっ、」
「レピア――――レピアッッ!!」
「もっとちゃんとアタシを求めてよ――――ッ今くらいちゃんとアタシを奪ってよッ!!!」
「ッ――――」
そうして少年は少女に――――
夢生はレピアに
『――――――』
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