第56話 モノ・あつかい・すんなし
「…………」
それぞれが
(いくら二十年、
赤き結界の外を
たった四人の子どもに苦戦させられる力では――
(早々に、この
――ざわ、と。
何か得体の知れない感覚が、ヨハインの脳をざわつかせる。
(――なんだ?)
何か忘れている。
何かひっかかる。
目の前、この状況に対する、何か――そう、
(……まて、)
(なぜ
「そうだよね。やっぱり君は、こんなこと望んでないんだよね」
「!? レピア後ろを――」
「
ごろり、と
サクラとの戦いで、夢生の倒れた場所に
「
「ッしま――がァァアアアアァァアアアアッッ!!?」
レピアとつながるヨハインが「神性」の
パスがずたずたに、切断される。
レピアにこびりついていた「魔」は、弾丸から発された光の
夢生がレピアを、抱きとめる。
「――助けに来たよ。レピア」
(ありえん――仮にも天使の弾丸で撃たれておいて何故ッ!!?)
「がぁっっ、ぐ……ああああああアアアあああッッ!!」
夢生の
尻尾が霧散して消えていく。
カンビオンとしてのありったけの力をふりしぼった夢生の声と共に、風とサクラ、そしてレピアのいる場所に現れる大量の
それらは三人をつかみ夢生の元へと移動させ――
「ッ貴様俺のメスをッッ、」
「お前のじゃない、」
「彼女達は誰のものでもないッッ!!!」
「ぬぅッ……!! 夢生貴様ァっ」
「が、は……ぅあああッ……!!」
夢生は、その小さな体で三人を抱え――そのまま背後の
(クソ――この傷と「神性」の
ヨハインは、己が
「いいだろう……そのまま想い人と共に落ちるがいい。魔界の底――文字通りの地獄へとな!!!」
◆ ◆
少女三人を、床に寝かせ。
「……夢、生……? 夢生ッ!!?」
「……むーくん……」
「……ここは」
恋堕による軽い
夢生は、そんな彼女たちの目の前で――上半身裸の、
「レピア……ケガは、無い……?」
「人のこと言ってる場合じゃないし!? あんたっ、シャレんなんない血ィ出てるって!」
「……ああ……さっきあいつに、撃たれたから……」
レピアに抱き起された際に見えた傷からそれが
サクラが
風はまだ倒れたままだった。
「……!! ふうちゃん、」
「! バカむーっ、あんただって傷――」
「ふうちゃん。ふうちゃんっ……」
「――――」
「――そうみたいね。今一番危ないのは彼女だわ」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます