第55話 想いを・告げる・ことさえ
――夢生が、「
ガクン、と急停止したロボットのように体をびくつかせ――その手に長い爪が生える。
伸びた
(まだ血が赤い――あれも「
血の色をさして気にも
「なるほど、『魔』をあえて受け入れて得られる力の
「ッッ……その
「――」
「休める時間ガ
「そうさ。メス共が俺の味方だからもうお前は勝てない。見物させてもらうぞ、お前が無様にあがく様をな――
サクラが、
レピアの弾丸が飛んでくる。
夢生は目を閉じたまま一度だけ翼をはばたかせ、
「(感覚がつかめない。やっぱ空は飛べないな)――ごめンネ、みんな」
目を開け、三人とは
「あまり痛クはしないから」
夢生の背後に数発の黒き
弾丸は
「――――おお」
全弾、生徒の前で
「つくづくいい女だ。俺の
「そもそも
「しかも速い――
ようやく夢生が、迫るサクラへ目を向ける。
だがそれはあまりにも遅く、
「どうする。
投げられた
しかし視界を
サクラの持った鉄剣が、夢生の
「ぐぅううア――――……ッッ!!!!」
「
「……そうさ……さッき背中ヲ斬られて
「!?」
「うううぅううアアアあッッ――――――!!!!」
鉄剣を持つ手を、その肩を
直後。
レピアの弾丸の盾となり、霧洩サクラは
「!! やるじゃないか――
「ああああああっ――――!!!」
風の数倍はあろうかという数を叩き込まれ、サクラは地に倒れ伏した。
「ハァ、ハァ――――うあああアアアアアァァあああッッッ!!!!!!!!」
「!」
夢生が
赤き空を
「なんて数だよくできました――だがお前。天使をナメ過ぎだ」
「!――?」
放たれる無限の
その数はレピアの弾数を軽く
このとき、ほんの一瞬だけ。
「――見せてやれ。レピア」
レピアが、両翼をザワつかせ。
甲高い音と共に――――銃口から、無限の
「ッ――!!!?」
銃口を破壊せんほどに、レピアの手を揺らしながらジェットの
それらは
圧倒的な物量差で、再び夢生に襲いかかった。
「く……ガァァァァアアアアアァァァァァッッ!!!!!」
「さあどうするどうするッ!! 天使の『
――夢生が
無数の
(あの銃を壊す。もしくはこの眼で動きを止める)
あと少し。
(どんなダメージを負ってるか分からない。レピアは傷付けられないッ)
もう少し。
(助けなくちゃ。彼女の心に少しでも
あと一歩。
(レピアに僕の想いを、伝えなくちゃ――!!!)
背後から夢生の中心を、貫いた。
「――――ギ、ァ――――」
「……本当に最高だ、レピア……夢生を殺したのがお前だなんてな」
力を失ってつんのめり、レピアを
悪魔に絶対の
「…………ごめ、ん」
「――――」
レピアの
夢生の体がレピアからずり落ち、
「僕は君に、何、一つ――――」
ゴトリ、と。
夢生はレピアの隣に、うつ
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なので完結前でもエンリョせず。
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