その後
ガルスが変身に失敗してから儀式の間は騒然としていた。
変身の失敗は誰もが予期しえなかったことであったのだ。
先ほど呼ばれたガルスの両親がすぐに到着した。
「息子が何かご無礼を……」そこで二人が息を飲んだ。
二人の目に獣人のようになった息子の姿が映ったのだ。
「お前らの息子は一族の血を穢す存在だ。」一族のひとりの言葉で他の人もガルスを侮辱し始めた。
殺すべきだといった意見も現れ始めたとき一族の長が「ガルスを追放処分とする」と宣言する。
「長、まだあの子は子供です。きっと外の世界では生きていけない。もう少し成長するまで待ってはもらえませんか。」
「我もこのような小さな子供を追放するのは気が引けるが一族のためなのじゃ。理解しておくれ。」
「では比較的安全な隣町まで護衛を雇っていただけませんでしょうか」
「うむ。そうするとしよう。お前たちは息子を連れていけ。今後について我らで話し合う。」
両親が出て行ってすぐ反対意見が飛び交った。
「あのものを野放しにすれば一族の汚名が広がってしまう。」
「わが長よ。考え直してはくれまいか。」
「わかっておる。あのものの両親はある程度の力を持っているから本当の計画を話して根廻しされたほうが後々めん どうじゃから偽の情報をながしたのじゃ。」
一同は国王を城まで送り届け、長い話し合いを行った。その結果ガルスには少量の金銭とゲテモノの剣と鎧とを与え、隣町まで送り届けるという体で朝方に城を出発、魔の森での野営時にガルスを置き去りにし護衛役はその場を立ち去るということでまとまった。
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