第115話 フィジカルとテクニック
総合的な身体能力のスペックならば、蓮池はNPBの中で一番の選手だったかもしれない。
中学時代は部活では陸上部で、複数の競技で全国に行くような選手だったのだ。
瞬発力系競技の中では、100m走や走り幅跳び、そして中学ではなかったが高校では、槍投げを練習に取り入れていたらしい。
デカスロンをやらせれば、日本記録を更新したのではないか、とも言われる。
陸上競技のトレーニングを許す大阪光陰も、随分と柔軟なものである。
監督がいて、その監督をしっかりと支える者がいる限り、あのチームはずっと強いままであろう。
身体能力で言えば、大介の瞬発力、また上杉や西郷もパワーには優れている。
だが蓮池の場合は跳躍力などを、190cmオーバーの肉体に秘めているため、走り高跳びなどでは大介の上を行く。
同じ野球にしても、ピッチャーではなくバッターの目もあった。
実際に高校時代は、外野をとてつもなく上手く守っていたし、打撃力も高かった。
野球以外のどんなスポーツをしても、彼は一流の領域に達したであろう。
実際のところ武史にしても、バスケットボールの経験は今も役に立っている。
野球以外の技術を知っているからこそ、野球で一流になれる。
ただ一つに絞れ、などと言ってくる人間は、昔からいたのだ。
ピッチャーとして初年度から軽く二桁勝利をしてきたのは良かったのか悪かったのか。
あるいはピッチャーも打席に入らなくてはいけない、セ・リーグではどうだったのか。
上杉などもプロ一年目は、打率が三割オーバーで、ホームランも七本打っていた。
「だけど野球はフィジカルじゃない」
「正確に言うとフィジカルだけじゃ足りない、ってところか」
直史の言葉を、樋口が訂正する。
フィジカルだけでは星はプロには行けなかった。
だが星が稼いだ金額は、おそらく一般的なサラリーマン男性の生涯収入に近いはずだ。税金があるので、ちょっとそれには足りないだろうが。
直史はそう思っているが、実際のところそこまで星は稼いでいない。
ただ散財する傾向がなかったので、今は無事に教職に就いているはずだが。
そんな蓮池と投げ合うことに、別に直史はなんとも思わない。
無意識下では色々と考えているかもしれないが。
直史は基本的に、自分が頭脳派の人間で、身体能力は平凡なものだと思っている。
もっとも本当に平凡であれば、150km/hは投げられない。
体幹、体軸、柔軟性、指先の皮膚感覚。
これらの部分が一般的なプロ野球選手の平均よりも、はるかに優れている。
特に柔軟性はトップクラスだ。
あまり気付いている人間はいないかもしれないが。ちなみに大介も体は柔らかい。
蓮池も柔らかい。
投げきった後の、足が上に向く体勢。
柔軟性がなければ、投げられる球ではない。
「それでも気にするほどのやつじゃないだろ」
別に油断というわけでもない、樋口の正直な評価である。
ヒューストンとの第三戦で、直史は蓮池と対決する。
その前に登板するのは、第一戦がレナードで、第二戦がガーネット。
どちらかは落とすだろうし、どちらも落とす可能性はあるな、と直史は考えていた。
三戦目に直史が投げるということは、三連敗は必ず避けるということ。
絶対に一つは勝てると算段していれば、一戦目と二戦目のリリーフの使い方も、変わってくるというものだ。
なにせこれまで、完封できなかった試合が一つしかない。
そして全ての試合で完投。普通ならリリーフに任せる延長も。
奪三振を連続して奪っていくような、そういうタイプではない。
だが危機管理が抜群に上手いのだ。
リスクを考えて、スタイルの範囲が変わる。
使うコンビネーションも変わるが、実際にはその投げるボールの割合が変わるのだ。
フォークを決め球として使う人間も、初球からいきなりフォークを使うこともあるだろう。
重要なのは相手に確信を与えないこと。
球種やコースが絞れてしまえば、結局は打たれてしまう。
本当に相手の不意を突けるなら、ど真ん中にストレートを投げても打たれない。
もっともそんな相手に対しては、本当に勝負しなければいけない時まで、そんな裏技のようなことは行わないが。
ヒューストンとの第一戦、レナードが六回を投げて勝利。
ハイスコアとは言えないが、ロースコアとも言えない5-3でアナハイムは勝利する。
第二戦はガーネット。
落とすならここだろうな、と直史は呑気に思っていた。
ガーネットは技術云々より、メンタルがまだメジャーリーガーになりきっていない。
さらに言うならNPBにおいても、まだ通用しないだろう。むしろNPBでこそ通用しないか。
ガーネットはギアの上げ下げがまだ出来ていないのだ。
本当ならリリーフで、短いイニングをもっと、全力で抑えるようにした方がいい。
あるいはリリーフでローテを埋める日に、オープナーとして先発するか。
短いイニングで、抑える練習をするべきだ。
だが自分でギアチェンジをして、結局は打たれてしまう。
リリーフ陣も打たれたとは言え、六回を四失点で敗戦投手となる。
これで一勝一敗の状況で、第三戦を迎える。
直史はここまで、同じ地区のチームでありながら、ヒューストンとは一度も当たってこなかった。
これは本当に偶然なのだが、当たるならば早い方が良かったな、とは思う。
ただ去年はちゃんと当たっているし、圧倒的にチームが補強されたというわけでもない。
もう一つ三連戦が残っているが、そちらでは直史が投げる予定はない。
ヒューストンとは今季レギュラーシーズン、最初で最後の対決だ。
ホームでの対戦なので、ヒューストンからの攻撃となる。
ふだんのひょろひょろ投球練習に、味方ベンチは安心する。
ここから全勝されても、アナハイムがヒューストンに抜かれることはない。
ヒューストンが全敗すれば、シアトル次第でポストシーズンへの出場が叶わない可能性はある。
実際のところヒューストンと、ポストシーズンで対戦する可能性はどれぐらいか。
勝率四位になりそうなのは、おそらくサンフランシスコ。
ヒューストンは五位か六位になるだろう。
どちらにしろ、対戦の可能性はどれほど変わらない。
ヒューストンは間違いなく強いチームなので、リーグベスト4のディビジョンシリーズで対戦する可能性はある。
ミネソタと潰しあってくれれば、より多くの情報があつまるとは思うのだ。
この試合はとりあえず、省エネピッチングをいつも通り行う。
完封し、球数も抑え、だが守備に無理がかからないように。
内野を抜けるようなゴロを打たせようと思ったが、弱いゴロを内野があっさりと処理。
さすがに打球の勢いまでコントロールするのは、毎度行えることではない。
早めにヒットを打たせて、守備の緊張を取る必要がある。
プレッシャーのかかった中でのプレイというのは、体を硬直させる。
それによってエラーなどをすることもあるが、それ以上に危険なのは故障を誘発することだ。
さっさと一本打たれて、それをなくすということも考えの一つではある。
普段はまず先取点を取って、そこからヒットを打たせる。
万一にも点が入らないまま、相手に先行されることが嫌だからだ。
ただ直史は自分の意思によって、勝率も調整も、全てを取りたいと思っている。
なのでここでも、初回から単打を打たせることを、狙っていた。失敗したが。
一回の裏、アナハイムの攻撃。
先頭打者のアレクは、ジャガース時代には蓮池とチームメイトの関係であった。
年齢差が三歳あるので、高校時代の対戦経験はない。
白富東と大阪光陰、間違いなくあの時代を牽引した両チームの、それぞれ主力であった。
どちらもドライな人間なので、高校時代の関係を、プロにまで持ち込むことはなかった。
蓮池からすれば悟はともかくアレクには、なんの恨みもなかった。
悟に対しても別に、恨みなどは持っていなかったが。
ただライバル心のようなものはあった。
アレクのプレイスタイルは、蓮池が外野としてプレイした時に、かなり似ているものであったからだ。
投手と野手に分かれ、同じチームで優勝を目指し、セ・リーグ優勢と言われた時代において、日本シリーズまで進出したことは何度もある。
だがアレクはともかく蓮池は、日本一を経験したことがない。
(さて)
アレクは自分に対して、蓮池がどう投げてくるのか分からない。
球種は多いがMLBでは基本、ムービングを主体で投げている。
163km/hが出るストレートは、アレクにとっても厄介なもの。
変化球で攻めてくれた方が、まだしもありがたいというものだ。
蓮池にしてもアレクの、先頭打者としての厄介さは分かっている。
それだけに慎重に、ストライクカウントを稼いで確実にしとめる。
(あんたには世話になったが)
アレクはニコニコと誰とでも仲良くなる人間であったが、実のところは内心を隠さない相手はほとんどいない。
孤高であった蓮池とも、普通に話すチームメイトではあった。
(ここは俺が勝つ!)
ストレートはサードへのファールフライとなり、まずはワンナウト。
厄介な先頭打者を片付けた。
アナハイムの二番樋口。
現代のMLBにおいては、二番打者はかなり重要な役目を持っている。
一番打者がどうなったかによって、バッティングが変わってくるのだ。
(まあ狙って打つというのは、いつものことか)
樋口はこの試合、勝つ方法は分かっている。
とりあえず先取点と、そしてもう一つ。
蓮池を消耗させることだ。
150km/h台後半のスピードで、ムービング系のボールが投げられる。
樋口はそれをカットするので精一杯のようにみせながら、実のところ充分にカットしている。
そしてボール球は振らない。
ボールからゾーンに入ってくるものは、これまたカットする。
蓮池にとってはこの樋口のカットは、かなり厄介なものなのだ。
チェンジアップを投げても、これにも対応してきた。
姿勢を崩しながらも、上手く打ってカットする。
(さすがは)
蓮池は樋口について、ちゃんと研究している。
一年の夏から、甲子園の決勝でマスクを被っていたキャッチャー。
上杉自らが招いた、春日山が全国制覇をするためのピース。
二年連続で夏の決勝に残り、そして大阪光陰を倒した白富東を、さらに倒して優勝した。
直史が投げられなかったとは言え、岩崎からホームランを打ったのだ。
あの決勝、春日山の打点は樋口のもののみ。
アウトローを狙って、確実に放り込むスイング。
それは大学野球でもNPBでも、充分に通用するものだった。
実際のところはキャッチャーとしての才能の方が、バッティングより優れているのだが。
追い込んだが、最後の一歩が足りない。
蓮池はここで、全力でストレートを投げる。
樋口も待っていたストレートは、これもカットする。
そう思ったが空振りして、ツーアウトとなった。
ホームランを打つためのスイングだったが、蓮池のストレートは想定を超えていた。
だが自分が三振したことによって、ターナーにはさらに多くの情報を与えられる。
肩をそっと叩いて、わずかに声をかける。
ターナーは頷いて、ネクストバッターズサークルから立ち上がった。
アレクも樋口も、曲者であり厄介なバッターであった。
対してこの三番のターナーは、典型的な長距離打者。
リーグ二位のホームラン数を、高い打率を保持しながら打っている。
打点でも二位なのは、アレクや樋口が出塁している場合が多いため。
侮っていい相手ではない。
今季のここまでのデータから見ても、蓮池はターナーの特徴は分かっていた。
分析して、対処法も考えている。
ただそれはあくまでも、統計的で確率的な分析。
それを蓮池は理解しているかどうか。
ムービング系にも手は出さず、チェンジアップは体重移動こそしたが、しっかりとスイングは止めた。
ターナーは樋口と違って、一発を狙っている。
そしてその一発を打つことが可能なバッターだ。
もっともその一発は、変化球などを掬い上げることが多い。
蓮池の高めのストレートを、捉えることが出来るか。
樋口にも投げた、163km/hのストレート。
ターナーはそれに合わせていった。
樋口を三振に取ったことで、蓮池は自信をもってそれを投げた。
だがターナーは最初から、それしか狙っていなかった。
それ以外の全てを、狙いから外しておいたのだ。
樋口の役割である。
全力のストレートで打ち取ったという成功体験が、蓮池の頭の中にもある。
ターナーは器用に変化球をホームランにするが、それはあくまでもこの数年のスタイル。
本来のターナーは、ストレートを着実にミートして、スタンドに運ぶバッターだったのだ。
蓮池のストレートは、ストレートと言ってもサウスポーのストレート。
ほんのわずかにではあるが、ターナーにとっては懐に飛び込んでくる球。
それにスイングのパワーをぶつけてから、ターナーは一塁側に向かって走り出した。
ボールはレフトスタンドの中段にまで届いた。
アレクと樋口によって、蓮池の球数はやや多くなっていた。
それを意識させた上で、追い込んだターナーにはチェンジアップからのストレート。
お手本のような配球であるが、お手本過ぎる配球であった。
普通ならそれでも、頭の中に前のチェンジアップが残っていて、空振りするかフライを打つか、そういうボールであったのだ。
ただチェンジアップの後のストレートだと分かっていれば、打てるものなのだ。
初回はこの一点に抑えて、ベンチに戻る蓮池。
だがベンチに戻ってからは、ターナーへの配球を考える。
急ぎすぎた、とは思う。
まだボール球が投げられたのだから、布石を打った上でストレートは投げるべきであった。
もしくはツーシームなら、打たせて取ることが出来ただろうが。
もう一球、続けてチェンジアップを投げるべきであったか。
だが直史は追い込んだら、すぐに次の球でしとめてしまう。
一通り打たれた原因の整理を終えると、蓮池は味方の攻撃に集中する。
いや、味方の攻撃を封じ込める直史のピッチングに。
何をどうしたら、あんなピッチングが出来るのか。
豊富な球種やコントロールを武器に、絶対に狙っていないであろうボールを投げ込んでくる。
ピッチャーの本質的な力は、方向性こそ違うが上杉と同格。
そして読みの深さは、上杉をも上回る。
九球も使わず、全てを内野ゴロや内野ライナーで抑えた。
ライナー打球が野手のグラブに突き刺さったのは、運ということもあるだろう。
それすたも直史の技術によるものだとしたら、果たしてその技量差は、自分とどれぐらいの差があるのか。
(点が入る気がしないぞ)
蓮池の感覚は正しい。
三回の表に、直史は一本のヒットを許した。
低いライナーが内野の間を抜けていく、クリーンヒットであった。
これでパーフェクトもノーヒットノーランもない。
とりあえず安心するヒューストン首脳陣であるが、あまり安心してもいられない。
ランナーは二塁に進むことも出来ず、スリーアウト。
直史の球数は、80球以内で終わるペースである。
対する蓮池は、特にアナハイムの上位打線には、かなり集中して投げている。
球数は増えているが、フォアボールを出すところまではいかない。
あのターナーのホームラン一発が、悔やまれるところだ。
アレクにヒットを打たれたが、後続は絶つ。
ヒット二本に抑えながらも、勝ち投手にはなれない雰囲気。
直史からすると、蓮池の今の気持ちは分からないでもない。
MLBのピッチャーは、自分で点を取ることが出来ない。
二刀流登録をしていれば別だが、そもそも蓮池は打撃にも優れた選手であったが、パではピッチャーの打撃が回ってくる数は少ない。
自分がどれだけいいピッチングをしていても、チームを勝たせることが出来ない。
だからピッチャーは、一点も許してはいけないのだ。
中学校時代、高校時代を思い出す。
中学校時代は一点に抑えて、自分がヒットを打ったとしても、一点も入らずに負けていた。
高校時代の負け試合を見れば、当たり前のことだが点を入れられている。
点を取られてはいけない。
そう考えて投げたのが、三年の夏の甲子園。
15回をパーフェクトで投げ抜いて、さらに翌日も完封した。
一年の夏、二年の春、点を取られたことで負けている。
エースは味方が点を取ってくれるまで、点を取られてはいけない。
クオリティスタートやハイクオリティスタートなどという言葉は、直史の脳内辞書の中にはない。
重要なのは取った点数以上に、点を取られないことなのだ。
蓮池のピッチングは悪くなかった。
球数こそやや増えたものの、七回を投げてヒット二本。
ここでリリーフに交代する。
ヒューストンはこの後の試合のためにも、勝ちパターンのリリーフをビハインドで投入することが出来ない。
八回に入ってから、アナハイムは待望の追加点を入れる。
そして直史は蓮池と違って、まだ交代したりはしない。
球数に充分な余裕があるからだ。
九回の表、ワンナウトから二本目のヒットを許す。
だがこのランナーをダブルプレイでアウトにして、試合は終了した。
九回を28人84球10三振。
わずかヒット二本で、完封勝ちである。
九回の裏がなかったので、打席の増えなかったアナハイム側は不満があったろう。
ただそれでも3-0で、ヒューストンを完封したことは間違いない。
この現実に対して、何か言うことも出来ない。
圧倒的な事実として、アナハイムは投手力で勝ったのだ。
一点しか取られていないのに、負け投手になった蓮池。
だが味方が点を取るより早く、初回に点を取られてしまったのが、最大の敗因だ。
あれさえなければアナハイムも、守備にプレッシャーがかかっていたろうに。
今年はないが去年音直史の失点は、エラーが原因のものもある。
直史でさえ、完璧なピッチャーではないのだ。
人間ではないように見えたとしても、それは勘違いなのだ。
ただ無敗記録の継続は、とても人間のやっていることとは思えないが。
次は普通に中五日で、クリーブランド相手に投げる直史。
それに勝てば30勝で、去年の記録に並ぶ。
あとはどれだけ、その内容を高めていくか。
遠征は七試合連続が一度のみ。
ついに無敗神話の成立が見えてきた。
続く三連戦、アナハイムはやっと、勝つべき体制で勝てるようになってきたと言っていい。
テキサスとのカードは、スターンバック、ヴィエラ、リッチモンドが先発。
心配されたリッチモンドは、上手く打たせて取ってクオリティスタート。
その前の二試合で、スターンバックとヴィエラが勝っていたのも、いいことに働いていたのかもしれない。
樋口としてもポストシーズンを前にして、やっとリッチモンドはこちらの言うことを聞いてきたか、と思う次第である。
だがどちらにしろリッチモンドは、来年はアナハイムにはいないであろうし、年俸もダウンするだろう。
一時期の期待値が高すぎたのが、彼にとっての不幸だ。
ここでもう一度、ポストシーズンでしっかり投げれば。
主戦のピッチャーを休ませるために、ディビジョンシリーズまでは他のピッチャーの奮戦を期待したい。
去年はワールドシリーズまでは、スウィープで到達したアナハイム。
だが今年はミネソタを相手に、弱いピッチャーでは負けるというのが冷静な分析だ。
直史、スターンバック、ヴィエラ。
この三人に、あとはリリーフ陣をどう使っていくか。
そして打線の援護が、どのくらいあるのか。
首脳陣が考えるようなことを、直史と樋口のバッテリーも考えていたのであった。
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